• "北海道新幹線"(/)
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  1. 富山県議会 2020-09-01
    令和2年9月予算特別委員会


    取得元: 富山県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-14
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1                     午前10時00分開会 武田委員長 皆さん、おはようございます。  ただいまから、9月定例会予算特別委員会を開会いたします。  本委員会の運営に関し、理事会で決定した事項は既にお配りしてありますが、ここで特に質問者に申し上げます。  持ち時間は答弁を含めて60分ということになっております。その具体的な取扱いについては、理事会確認事項として既に皆様方に配付している資料のとおりでありますので、留意の上、質問されますよう、改めてお願いいたします。  また、答弁者においては、簡潔な答弁に留意され、円滑な委員会運営に御協力いただきますようお願いいたします。  なお、委員席につきましては、ただいま御着席のとおりとしたいと思いますので御了承願います。  それでは、発言の通告がありますので、これより順次発言を許します。        酒井立志委員の質疑及び答弁 2 武田委員長 酒井委員。あなたの持ち時間は60分であります。 3 酒井委員 皆さん、改めておはようございます。  一昨日、菅内閣が発足し、農林水産大臣に野上浩太郎参議院議員が御就任されました。誠に御同慶の至りであります。  私としても、富山県議会経済産業委員長として、野上大臣に御指導賜って、富山県の限りない発展に向けて力を尽くしていきたいと改めて決意をいたしているところでございます。  それでは、9月定例会予算特別委員会、通告に従って質問してまいります。  まずは、北陸新幹線の大阪延伸について質問いたします。  8月19日、東京で開催されました北陸地方開発促進協議会の総会に出席しました。北陸3県の共通の大きな課題の一つは、環日本海交流と、日本海国土軸の核となるべき関連事業の早期実現でございます。その柱は北陸新幹線の早期全線整備であると私は捉えております。  翌日には、北陸新幹線建設促進大会にも出席いたしました。そこでは、沿線自治体や関西経済界からの石井知事に寄せられる期待の大きさを感じました。  北陸新幹線は高速交通体系の中軸として、国土の均衡ある発展に不可欠なものであり、沿線地域の飛躍的な発展を図る上で極めて大きな効果をもたらします。また、大規模災害時においては東海道新幹線の代替補完機能を有するとともに、東北、北陸、関西、山陰などをつなぐ日本海国土軸の形成に必要不可欠な国家プロジェクトでございます。
     現在建設中の金沢─敦賀間については、令和4年度末までの開業が確実に実現するよう整備が進捗しているようでありますが、これまで早期開業に向けて最大限努力してこられた石井知事には敬意を表する次第でございます。  しかしながら、現在、敦賀─大阪間の環境アセスメントが実施されておりますが、残念ながら着工にはまだめどがついていないようであります。コロナ禍の影響で、国の財政はさらに厳しさを増している中、財源の確保が大きな課題であります。石井知事には、北陸新幹線建設促進同盟会の会長として大変御尽力いただいておりますが、引き続き敦賀以西への着工に向けて、先頭に立って御尽力いただきたいと考えてございます。  北陸新幹線の2030年度末までの大阪延伸の実現のためには、何よりもまず2兆1,000億円と言われる財源を確保し、切れ目ない着工を実現することが大切であり、敦賀開業までの、この一、二年が非常に重要な時期と考えておりますが、北陸新幹線建設促進同盟会会長としてどのように取り組んでいくのか、石井知事にまずお伺いをいたします。 4 石井知事 北陸新幹線は、北陸や関西はもちろんですけれども、日本全体の発展に大きな意義のあるものでございます。  先月には、北陸新幹線建設促進同盟会の会長に再度選任いただきましたので、北陸、関西を代表する5団体と合同で政府・与党に要請いたしまして、予定どおりの敦賀開業、また、敦賀以西について環境アセスメントの速やかな推進とともに、国費の増額や貸付料の算定期間の延長等を含めて、必要な財源約2.1兆円を確保の上、切れ目なく着工しまして、令和12年度末の北海道新幹線の札幌開業頃までに、大阪まで一気に整備していただくよう強く求めたところでございます。  北陸新幹線の早期大阪延伸と同時期までに、東海北陸自動車道の全線4車線化の実現を図ることによりまして、東京圏や中京圏、関西圏と北陸を結ぶ大ゴールデン回廊が誕生することとなり、富山県のさらなる飛躍につながると考えております。  そのためには、北陸新幹線の大阪までの一日も早い全線整備が必要でありまして、敦賀以西へ切れ目なく着工されますように、何としてもあと一、二年の間に、必要な財源約2.1兆円の確保に決着をつけたいと思っております。  政府・与党においても、この6月に鉄道調査会の北陸新幹線整備PTが開かれまして、予定どおりの敦賀開業と切れ目ない着工を目指すことについて、国交省や鉄道・運輸機構とともに確認してもらいました。本当に数年前までは、国は大阪開業の時期を、想定ということで2046年頃としていたわけでありますから、そういったことを考えると、この数年で随分と前進したと思います。  今回、新しい菅内閣になりましたけれども、政府・与党のいろんな分野で、北陸新幹線の早期大阪延伸に理解を深めていただいている先生方がたくさんおられますので、そういった皆様にも引き続きしっかりと働きかける、また、北陸、関西の沿線府県や経済界などと連携しながら、北陸新幹線の一日も早い全線整備に向けて全力を尽くしてまいります。 5 酒井委員 ありがとうございます。  石井知事は富山県の知事でありますが、今ほどお話がありましたように、北陸新幹線あるいは東海北陸自動車道の4車線化の推進に向けてしっかり御努力しておられることから、私は、富山県の知事ということだけではなくて、まさに北陸のリーダーというふうに捉えておりますので、どうかしっかり取り組んでいただければと思っております。よろしくお願いいたします。  それでは、大きく安全・安心について質問していきたいと思います。  まず、防災・減災対策について質問いたします。  8月30日、滑川市総合体育センターで行われた県総合防災訓練に参加いたしました。現場では、自衛隊など国の機関をはじめ防災関係機関、関係市町村、民間企業とも密接に連携を取りながら、大規模地震災害と風水害の複合災害を想定した図上訓練を実施しておられました。  今回は、テレビ会議や全天候型ドローンを通じて参加者全員がリアルタイムで情報把握するなど、初動体制での情報把握と伝達の重要性を再認識いたしました。現在建設中の富山県防災・危機管理センター(仮称)でも、映像情報システム等の構築が予定されており、その体制整備が期待されております。  コロナ禍にあって、滑川市で今年度実施された県総合防災訓練での教訓の成果を踏まえて、今後、防災対策にどのように取り組んでいくのか、砂原危機管理監に所見を伺います。 6 砂原危機管理監 去る8月30日に実施した県総合防災訓練では、酒井委員、筱岡副議長はじめ県議会の先生方に御視察を賜りました。どうもありがとうございました。  今回の訓練では、関係市町村等の意向も踏まえ、感染症拡大防止の観点から、住民が参加する避難訓練や避難所での支援物資搬入訓練等を見送ることとし、災害発生時の初動対応や関係機関との情報共有の強化を目的とした大規模な図上訓練に的を絞り実施いたしました。  訓練では、刻々と変化する災害状況をテレビ会議システムや国土地理院の電子地図、全天候型ドローンを活用し、地元市町村や関係機関との間で情報共有や役割分担の確認を行うなど、一定の成果が得られたと考えております。  一方、新型コロナ禍においても、災害発生時にはしっかりと対応することが重要でありますので、今後、住民が参加する訓練を、感染症対策にも十分配慮し工夫して実施できないか、関係市町村等と協議してまいりたいと考えております。  また、現在建設中の防災・危機管理センター(仮称)では、大型モニターを備えた映像情報システムを導入する予定でございます。大規模な災害発生時に、ヘリやドローンからの災害現場の映像や震度・気象情報、道路・河川の情報等をリアルタイムで収集し一元的に管理することにより、災害対策本部が的確な状況判断と適切な意思決定を迅速に行えるよう整備することとしております。  県といたしましては、県民の安全・安心のため、こうしたソフト、ハードの両面から、防災対策にしっかり取り組んでまいります。 7 酒井委員 ありがとうございます。  2年前に初めて、氷見市での総合防災訓練でリエゾンを拝見しました。そのときと比べて、今回、映像も捉えながらデジタル革命が進んでいると思った次第です。さらにそれが進化していくものと大きく期待をいたしております。よろしくお願いいたします。  次に、本県の呉羽山断層など大きな影響を及ぼすとされる7つの断層帯は活動周期が長く、いつ発生するか予測不能で、いずれも地震が起きればマグニチュード7クラス、阪神・淡路大震災レベルの被害が想定されているということであります。  県では、被害を軽減するための災害目標として、住宅の耐震化率を85%から90%まで向上させれば、死者数が大幅に減少するというシミュレーションを実施しています。  本県では、人的被害軽減のため木造住宅耐震診断耐震改修補助に力を入れていますが、現在の住宅耐震化率とさらなる向上策について、江幡土木部長にお伺いをいたします。 8 江幡土木部長 住宅の耐震化は県民の生命や財産を保護するための重要な施策でありまして、平成28年に改定した富山県耐震改修促進計画では、平成25年度に72%であった住宅耐震化率を、令和7年度までに90%にすることを目標としております。  本年5月、国が公表した平成30年の全国の住宅耐震化率、これは住宅・土地統計調査の結果から推計されたものと聞いておりますけれども、これに準じて本県の住宅耐震化率を試算しましたところ約80%となっておりまして、現在のところ、耐震化率は先ほどの目標に対しておおむね順調に推移しているということでございます。  県ではこれまでも、耐震化率を向上させるために耐震診断や耐震改修促進を図るための支援制度を設けまして、昨年度は改修補助限度額を1件当たり100万円に増額するなど、その拡充を図ってきたところであります。  また、住宅の地震に対する安全性向上の啓発のため、パンフレット等の作成・配布や、住宅相談所の設置など相談体制の充実、また、地域の方々を対象とした防災教室において、模型を利用した耐震性能の説明なども行ってきております。  県としましては、今後も市町村や建築関係の団体と連携協力しながら、耐震化の重要性について普及啓発を進め、耐震化率の向上に努めてまいります。 9 酒井委員 ありがとうございます。  私は、地震対策の優先順位第1位は、何といっても住宅の耐震化だと思ってございますので、しっかり取り組んでいただければと思います。よろしくお願いいたします。  次に、8月10日に「障害者と災害」というテーマの富山障害フォーラムに参加いたしました。そこでは2点の大きな課題と必要性を強く感じたわけであります。それは地区防災計画と個別計画の策定です。  そこでまず、地区防災計画について質問いたします。  地区計画の最大の特色は、その地域の自然条件、社会条件を把握し、その地域資源を有効に結びつけることができることにあり、地域コミュニティーが強靱になることで災害に強くなるということであります。  2019年の防災白書によりますと、地区防災計画の策定に取り組んでいる地域が2018年4月現在、全国で3,206地区ありますが、本年4月時点で、本県における地区防災計画の策定地区は僅か7件、自主防災組織率は86.4%であります。  そこで、地区防災計画のさらなる作成促進に今後どのように取り組んでいくのか、砂原危機管理監に所見を伺います。 10 砂原危機管理監 地区防災計画は地域住民が自発的に作成する防災計画で、平常時や災害時等の行動、活動を定めたものであります。  県内で計画を策定済みの地区は、今、委員から御紹介ありましたように、今年4月1日時点で7地区、また直近の調査によれば、8月末で10地区にとどまっております。  このため、県では市町村と連携し、防災に関する知識や経験を有するアドバイザーを自主防災組織に派遣し、計画策定を促しますとともに、昨年度からは、計画を策定した自主防災組織に対し、避難所用の発電機等の資機材整備や避難訓練の経費等を支援しております。また、自主防災組織の中核となる方々や町内会役員等を対象に研修会を開催し、計画作成の重要性を訴え、働きかけを行っております。  市町村からは、新型コロナの影響で町内の会合が開けないため計画作成が滞っている地区もあると聞いておりますが、地区防災計画は住民が助け合って命を守り合う重要な計画であることから、県としましては、今後とも市町村と連携しながら計画の作成促進に取り組んでまいります。 11 酒井委員 地区防災計画については、少し本県は出遅れているような感がありましたので、あえて質問をさせていただきました。  次に、個別計画について質問いたします。  近年、相次ぐ大規模災害で亡くなる人のうち、65歳以上の高齢者らが占める割合が高くなっております。1995年の阪神・淡路大震災では約5割が高齢者、2011年の東日本大震災は約6割、昨年の台風19号では6割以上、本年7月の豪雨被害における熊本県では、死者約70人のうち8割超が65歳以上で、高齢者が犠牲になる傾向が顕著になっております。  内閣府は、災害時に自力避難が難しい高齢者や障害者らが逃げ遅れないように、ケアマネジャーや福祉専門職と連携して、避難支援の方法等について個別計画を策定するよう市町村に促すことを検討しておりますが、本県における個別計画の策定状況とケアマネジャーとの連携状況を踏まえ、個別計画の策定促進に向けて、県として今後どのように取り組んでいくのか、石黒厚生部長にお伺いをいたします。 12 石黒厚生部長 県内市町村の個別計画の策定状況につきましては、本年4月1日現在で、個別計画の策定に同意をいただいた方が約3万人となっております。そのうち個別計画の策定数は、13市町村で約1万3,000人となっているところでございます。  また、個別計画の策定に参画している避難支援等関係者の状況につきまして、市町村にお聞きしたところでは、多くが民生委員や自治会、自主防災組織などであり、ケアマネジャーと連携した取組はまだ少なく、舟橋村のみと聞いております。  先ほど委員からもお話のありましたとおり、内閣府では、過去の災害を教訓に、高齢者や障害者等の要支援者が確実に避難できるための仕組みとして、ケアマネジャーなど福祉専門職の関与等を通じた個別計画の策定促進について、検討が進められているところでございます。  こうした福祉専門職の関与による個別計画の策定につきましては、大分県の別府市など他県の一部の自治体で取り組まれている事例でありまして、要支援者の心身状況を熟知したケアマネジャー相談支援専門員が積極的に関わることで、実効性の高い計画の策定につながるものと期待しております。  県といたしましては、こうした国の動きも注視しながら、引き続き市町村におきまして個別計画の策定を進めていただきますよう、これら福祉専門職が携わる事例の紹介など、研修会等の機会を通じまして、市町村に対して働きかけてまいりたいと考えております。 13 酒井委員 ありがとうございます。  ちょうど1年前になりますが、ケアマネジャーとの連携ということについて提案をさせていただいたんですが、進んでいないというところでありますが、舟橋村で1件事例があるということで、少し安心しました。しっかり取り組んで、連携を図っていただければと思ってございます。よろしくお願いいたします。  次に、再犯防止について質問いたします。  平成28年12月に再犯防止推進法が施行され、翌年には国が再犯防止推進計画を策定して以降、平成30年4月に鳥取県で初めて策定されたことを皮切りに、全国各地で地方再犯防止推進計画策定に向けた動きが始まりました。  再犯防止推進法の目的は、「国民の理解と協力を得つつ、犯罪をした者等の円滑な社会復帰を促進すること等による再犯の防止等が犯罪対策において重要であることに鑑み、再犯の防止等に関する施策に関し、基本理念を定め、国及び地方公共団体の責務を明らかにする」ということであります。そういう意味では、地方公共団体を新たに再犯防止施策の実施主体として位置づけたことは、この法律の大きな意義だと捉えております。  昨年10月時点で、17都道府県において再犯防止推進計画を策定しており、本県も今年3月にこの計画を策定されたところであります。そこで、以下3点について石黒部長に質問いたします。  同計画の策定においては、計画の内容が、地域の実情を踏まえつつ、就労の確保などの課題や犯罪状況、非行状況、また社会資源の状況などに対応した計画になっていることが最も重要と捉えております。例えば東京都では、高齢者やその家族らの悩み相談窓口「高齢者よろず相談」の設置や、薬物依存に関する相談体制の充実と連携の促進をはじめ、東京都としての広範で具体的な取組が記載されてございます。  そこで、本年3月に策定された富山県再犯防止推進計画の概要と特徴について、部長に所見を伺います。 14 石黒厚生部長 今ほどお話がありました本県の富山県再犯防止推進計画は今年3月に策定いたしましたが、近年、再犯者率は4割台が続いておりまして、高い状況で続いていること、あるいは、保護司などの民間協力者の減少が続く中、再犯防止推進法及び国の再犯防止推進計画を踏まえまして、本県における再犯の防止等に関する施策を総合的かつ計画的に推進するために、令和6年度までの5年間を期限として、「安全で安心して暮らせるとやま型地域共生社会の構築」を目標に新たに策定したものでございます。  犯罪や非行を行った方々は様々な生きづらさを抱え、立ち直りに多くの困難を抱えている場合があります。地域社会の中に受け入れ、見守り、社会復帰を支えていくことが重要でございます。  安全で安心な地域社会の実現のため、県計画では、国・市町村・民間団体等と連携強化、就労・住居の確保、民間協力者の活動の促進、広報・啓発活動の推進など、6つの重点分野に取り組むこととしております。  具体的には、各関係機関や団体との連携強化のための情報共有等のネットワーク構築や周知啓発、雇用のマッチング向上のため、刑務所への県職業能力開発ニーズ調査結果や県農林水産公社の就農情報の提供によります就労促進、地域共生社会の構築に向け、県地域生活定着支援センターによります地域医療・福祉サービス利用の支援強化などをポイントに施策を推進することとしております。  犯罪や非行のない安全で安心な地域社会の実現につきましては、全ての県民の願いであります。今後とも、県や市町村、関係団体と連携しながら再発防止に取り組んでまいります。 15 酒井委員 ありがとうございます。  日頃から活動しておりまして、特に今感じるのは、国と保護司さんが一生懸命やっているような状況であって、むしろ、県あるいは基礎自治体の関わりがちょっと薄いような気がしております。しっかりそこは連携していただいて、社会全体で再犯防止計画を推進していければと願っております。  そこで改めて聞きますが、再犯防止推進法再犯防止推進計画の策定によって、更生保護や再犯防止は新たな時代に入ったと考えております。しかしながら、今ほど申しましたが、本県の市町村においては再犯防止推進計画の策定に向けた具体的な動きが進んでいません。  広域自治体として県はどのように促していくのか、部長にお伺いをいたします。 16 石黒厚生部長 再犯防止推進法の規定によりまして、県及び市町村は、国の再犯防止推進計画を勘案して、それぞれ計画を定め、公表する努力義務がございます。なお、県や市町村の計画につきましては、再犯防止のみを内容とする単独計画のほか、社会福祉法に基づく地域福祉計画などに再犯防止施策を合わせ盛り込む方法もあるとされているところでございます。  県内15市町村の状況につきましては、今、委員からもお話がありましたとおり、計画を策定し、公表したところはまだございませんが、お聞きしたところ、おおむね半数の市町村から、単独計画ではございませんけれども、新規または次期の地域福祉計画において一体的に策定する予定と聞いておるところでございます。  地域福祉計画を規定する社会福祉法は、地域共生社会の実現に向け、市町村において、高齢者・障害者・児童・生活困窮者等に対し包括的に、断らない相談支援、社会参加への支援、孤立しない地域づくりに向けた支援を提供する体制の整備に努め、県につきましては、市町村の体制整備を支援する努力義務を定めているところでございます。  また、国の指針におきましては、刑務所出所者等の単独市町村では解決が難しい課題を抱える方への支援体制につきまして、市町村と連携して構築していくことを県の役割として求めているところでございます。  このため県といたしましては、県計画にある「広域的な再犯防止推進ネットワークを通じた連携の充実」の推進などの観点から、今後、市町村に再犯防止推進計画の策定を促し、また、計画策定に必要と思われる様々な角度からの助言、あるいは研修会の開催を通じて支援を行ってまいりたいと考えておるところでございます。 17 酒井委員 ありがとうございます。  今ほどの答弁のとおり、実効性あるものを進めていっていただければと思います。よろしくお願いいたします。  法務省は昨年11月に、令和元年犯罪白書を発表しました。平成30年の刑法犯検挙数は20万6,000人と戦後最少となるも、一方、再犯者数は48.8%を占めて、こちらのほうは最も高くなったとのことであります。  専門家によると、近年問題になっているのが高齢者の犯罪ということです。出所受刑者の2年以内再入率は、非高齢者を抜き高い比率で推移してございます。富山県警察本部の資料からも、平成30年の刑法犯検挙者中の再犯者は775人、そのうち高齢者は235人、何と約3割が高齢者という現状であります。  確かに、仕事ができる年齢を超える高齢者にとって、高齢受刑者の社会復帰は様々な困難が伴います。だからこそ、高齢者の再犯を防止するためには、出所直後から速やかに福祉サービスを利用でき、地域に定着できるようにする支援が求められると考えております。  そこで、法務省と厚生労働省が連携して実施している特別調整という取組があると聞いておりますが、富山県ではどのように機能し、どう生かされているのでしょうか、石黒厚生部長にお伺いをいたします。 18 石黒厚生部長 特別調整につきましては、刑務所等を退所する高齢者または障害者等が必要な福祉サービスを受けられず、再犯に至ることがないよう、また、地域の中で自立した社会生活を営むことができるよう支援を行うものでございまして、富山県におきましては、平成23年10月以来、富山県済生会に富山県地域生活定着支援センターを委託設置し、実施しているところでございます。  特別調整の業務につきましては、保護観察所長からの協力依頼に基づいて、富山刑務所の受刑者に対して、退所6か月前から退所に至るまでの間に帰住地等の受入れ調整を行うコーディネート業務、全国の刑務所から退所後に本県に帰住した人を支援するフォローアップ業務の2つがございます。  令和元年度の特別調整対象者に対する支援実績につきましては11人でございます。このうち、コーディネート及びフォローアップをともに行った2人に対しましては、住民票の異動や医療保険料の減免、更生保護施設入所などの手続を支援したところでございます。コーディネートのみとなる出所後県外帰住者9名の方に対しましては、生活保護や要介護認定の手続、入院先やアパート探しなど、帰住先の都道府県のセンターと連携して支援を引き継いだところでございます。  本年度は、富山県地域生活定着支援センターにおける地域ネットワークの強化を行うため、新たに、個別事例に関する地域福祉支援検討会や、受入先を確保する福祉事業者巡回開拓の実施とともに、ノウハウの共有や情報交換を行う地域福祉研修会の開催を検討しているところでございます。  県といたしましては、引き続き県の再犯防止推進計画に基づきまして、広域的、専門的な特別調整支援の強化を図ってまいります。 19 酒井委員 どうもありがとうございます。  社会全体で、いわゆる安全・安心な社会づくりに取り組んでいくということが非常に重要なことだと思いますので、様々な機関、各市町村、国とも連携して取り組んでいっていただければと思ってございます。どうぞよろしくお願いいたします。  次に、日本一安全・安心な富山県を目指してについて質問していきます。  県内の警察施設、警察署や警察官待機宿舎については、高岡警察署をはじめ黒部警察署など築50年を経過した施設があり、県内一円で老朽化が進んでいるようでございます。  そこで、警察署等の警察施設の著しい老朽化により、今後の県警察にとって治安課題への対処能力、また県民の安全・安心の確保にどのような影響が懸念されるのか、大原警察本部長にお伺いをいたします。 20 大原警察本部長 委員御指摘のとおり、高岡、黒部署など老朽化が著しい警察施設が存在し、中には築50年を超えるものもあります。  施設の老朽化が治安課題への対処能力や県民の安全・安心の確保に直接影響を与えることはないものと考えておりますけども、来署者用駐車場の不足や狭隘な待合スペースなど機能面においても課題が多く、建て替えなどの再整備を検討する時期に来ていることは認識しております。  警察施設の再整備という観点から申し上げますと、現在、建設工事を進めております富山南警察署が本年11月に開署することにより、富山市内警察署の再編が完了することになっているほか、県内で最も古い築59年の交通機動隊庁舎を警察機動センターとして建て替え整備を進めており、着実に取組を進めているところであります。  県警察では、将来の治安情勢や少子高齢化など、社会情勢の変化も見据えた長期的観点からの警察施設の整備の在り方について、今後とも、財政当局とも密接に連携しながら検討を進めていくこととしております。 21 酒井委員 ありがとうございます。よろしくお願いいたします。  一昨日の一般質問における瀬川議員の高岡市野村交番移転に関する答弁は、これまでの私たち議会の質問や地域の要望などを重ねてきた経緯を踏まえると、少し残念な内容であったと私は捉えてございます。  高岡市野村は、1つの小学校校区の中で8月に2件の殺人等の凶悪事件が発生し、未解決の殺人事件もある地域であります。町の変貌に伴って犯罪抑止力が低下している懸念を持ってございます。そういった意味では、瀬川議員が質問されたその内容に、私は全く同感であります。同じ思いをしております。  住民に安心してもらうためにも、できるだけ早い段階で人目につきやすい場所に移転するか、そうでなければ、それに匹敵する代替手当てを早急に取るべきと考えております。改めて大原警察本部長の所見をお伺いいたします。 22 大原警察本部長 野村交番については、設置当時から管内情勢に変化が生じている実態、また町の変貌に伴う犯罪抑止力の低下への不安などを理由に、これまでも数度にわたり地元自治会などから移転の要望が出されていること、県議会においても度々議論させていただいてきた経緯は十分承知しております。  また、先月、野村交番管内で凶悪事件が連続して発生し、住民の皆様の不安のほどはいかばかりかとも推察いたすところでございます。
     高岡警察署では、そうした現状や地元の要望も踏まえ、案内看板の増設のほか、本年7月からは毎月20日の犯罪抑止の日に合わせ、野村小学校前に移動交番車を配置し、児童の見守り活動を行うなどして、犯罪抑止はもとより、住民の皆様に安心感を持っていただけるよう努めているところであります。  一般に、交番の建て替えに当たっては耐用年数の超過程度を小さくない要素として勘案せざるを得ず、とりわけ移転を伴う場合には、適切な用地を妥当な形で取得できる見込みがあるかなどの事情にも制約され、管内情勢の変化に必ずしも機動的に対応し難い面があるのが悩ましいところであります。  野村交番の移転については、耐用年数が著しく超過している交番の建て替え等とのバランスなどを考慮しながらも、地元からの要望及び県議会でのこれまでの議論をしっかりと受け止めた上で、県下全体の交番の整備における重要課題の一つとして捉え、引き続き検討してまいります。 23 酒井委員 ありがとうございます。  今ほど私も申しましたが、1つの小学校校区の中で未解決の事案があり、さらに1か月で凶悪な事件が2件続いているという、富山県内で歴史的にこういうことは多分なかったんじゃないかと思うことから、すごく危機感を持って、住民の皆さんの安心感を与えるための施策をしっかり講じていただきたい、そういう思いで改めて質問させていただきました。  今ほどは、大原警察本部長、丁寧な御答弁ありがとうございます。これからもしっかり取り組んでいっていただきたい、そのように心から思っております。よろしくお願いいたします。  過日、8月31日に県警察では、県内の警察機能強化に向けて有識者懇話会を開催されたと伺っております。この機会に、デジタル革命に伴い複雑かつ多様化すると考えられる犯罪への対応や、施設の老朽化の現状についても、有識者の方々に現状をしっかり認識してもらい、議題として検討されることを期待しております。  そこで、有識者による懇話会が開催されたいきさつと今後のスケジュールや方向性について、大原警察本部長にお伺いをいたします。 24 大原警察本部長 今後、一層の進行が見込まれる人口減少、少子高齢化、またサイバー犯罪などの治安上の新たな脅威は、警察行政の行く末を左右する看過できない要素となってきております。  さらに今後、新型コロナウイルス感染症に見られるような想定困難な社会情勢の変動も排除できないことから、県警察ではいかなる事態にも柔軟に対処できる、しなやかで強靱な組織体制の整備が強く求められていくものと考えているところであります。  昨年開催された地域防犯力強化に関する県の有識者会議においても、県警察の今後の在り方について議論がなされ、さらなる検討に委ねられたところであり、今回、懇話会の設置に至ったものであります。  本懇話会は、県内の経済界、大学、行政、法曹などの識者のほか、元警察庁長官の10名の委員で構成され、8月31日に第1回を開催し、県警察の現状と治安情勢を議題とし、委員から意見をいただいたところであります。  今後の予定につきましては、年度内に警察署の視察を含め計4回を開催することとしており、新たな警察事象への対応の在り方やICT、科学技術の活用の在り方などについて、自由果断な意見を聴取し、年度末をめどに提言をいただいた上で、中長期的視野に立った県警察の運営方針及び政策に反映させていく所存であります。 25 酒井委員 いずれにしても、デジタル革命によって犯罪も複雑化、多様化していくものだと考えてございます。しっかり検討していただいて、国民、県民の命と財産を守っていただければと思っております。よろしくお願いいたします。  それでは次に、県外からの移住促進について、去る7月に富山くらし・しごと支援センター名古屋オフィスを開設し、中京圏からも移住やUIJターン就職の相談体制を強化されたところであります。  さらに、全国初の取組として、電力会社と連携し、県営電気事業の電力を活用した本県への移住・UIJターン世帯向けの電気料金割引制度の創設に向けて準備を進めるなど、新型コロナ収束後の本県への移住促進や、交流・応援人口の拡大に取り組むとしておられます。県内への移住促進やUIJターンの活性化などに関して、選ばれる富山県を目指すためにも、災害が少ない県であるとともに、県民総参加による安全なまちづくりに取り組むことが重要と捉えております。  このたび、15年ぶりに見直された防犯上の指針の改定を契機として、今後どのように日本一安全で安心な富山県を目指すのか、石井知事に御所見を伺います。 26 石井知事 県知事に就任させていただいた平成17年3月に安全なまちづくり条例を制定しますとともに、同じ年の10月に防犯上の指針を策定しまして、安全なまちづくりに県民総参加で取り組んでまいりました結果、県内の刑法犯認知件数は18年連続で減少しますなど、県民総ぐるみによる防犯活動は着実に成果を上げていると思っております。  一方で、近年、お話のように県内外で地域の安全を脅かす重大な事件が連続して発生したこと等から、県としましては有識者会議を設置いたしまして、その提言を踏まえて、今般、防犯上の指針を改定したところでございます。  今後は、犯罪機会論や防犯環境設計、ホットスポット・パトロールなど、新たな指針に盛り込んだ内容を県民の皆様に理解、実践していただくことが重要でありますので、安全なまちづくり推進大会、ここでは犯罪機会論等の提言をなさった小宮信夫立正大学教授などにも御講演などをいただいて、様々な機会を通じて県民の皆様への啓発にも努めさせていただくとともに、関係団体に働きかけて、犯罪の予防に十分留意した住宅、公園、公衆トイレ等の整備促進を図ってまいります。  また、県内4会場においてホットスポット・パトロール講習会を開催しまして、グーグルの地図アプリ等を活用して犯罪が起きやすい場所の見極め方の研修──前半は、先ほど申し上げた小宮立正大学教授等による講義、後半は、受講者がふだんからパトロール活動を行っている場所に対して、グーグルのストリートビューを活用して、実際に現場を訪れている目線からホットスポットを診断する研修──を行いますほか、防犯カメラ設置についても引き続き支援してまいります。  来月には、新しい富山南警察署が完成の予定でありますけれども、県警察や市町村、関係機関と連携しまして、今後とも日本一安全で安心な富山県の実現に向けて、県民総参加でしっかりと取り組んでまいります。 27 酒井委員 知事、ありがとうございます。  私はいつも、知事は危機管理、防犯上のプロ中のプロだと思っていますので、しっかり、富山県が日本一になれるように、リーダーシップを取っていただければと願っております。よろしくお願いいたします。  次に、水産業の振興について質問していきます。  先般の報道によりますと、今年はホタルイカもシロエビも漁獲量は悪くないということであります。しかしながら新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、魚価が著しく低下していることで、漁業経営者にとって大変大きなダメージがあったものと伺ってございます。  本県の今年これまでの漁獲量と漁業経営者の経営状況について、堀口農林水産部長にお伺いをいたします。 28 堀口農林水産部長 本県の今年1月から先月20日までの漁獲量は、全体で1万2,445トンであります。過去10年の同期の平均1万4,490トンと比べまして約2,000トンほど下回っているものの、昨年との比較では約2,200トン上回っております。  このうち、ホタルイカは昨年437トンから1,885トンと、約4倍と大変好調でございました。シロエビにつきましては、5月連休中の休漁等もございまして、395トンから289トンと、約100トンほど減少をしております。  また、新型コロナウイルスに伴います飲食店等の休業あるいは営業時間短縮などによりまして、とりわけ4月から5月には、シロエビやホタルイカ、アカムツ等の高級魚の需要が大幅に減少し、価格低下を招くなど、漁業経営者にとって大変厳しい状況であったと承知をいたしております。  このため県では、事業持続化・地域再生支援金による漁業経営継続への助成、漁業共済制度の活用促進などの経営安定の支援策を進めますとともに、消費拡大のため、ホタルイカ等の学校給食への提供支援を今月から実施しておりますほか、9月補正予算案では、国のGo To Eatキャンペーンと連携した県産食材の活用促進などの事業を計上いたしております。  本県では、この秋から漁の最盛期を迎えることになりますけれども、新型コロナによる需要の低迷が続けば、再び魚価が低下し、漁業関係者の経営を圧迫することも懸念されますことから、引き続き状況を注視しながら、漁業経営者の支援や消費拡大にしっかり取り組んでまいりたいと思っております。 29 酒井委員 全国で5年に一度実施される漁業センサスの本県の最新結果によると、漁業経営体は前回センサスに比べて51経営体減少し250経営体となり、16.9%の減少であります。また、漁業就業者数は212人減少して1,216人となり、14.8%の減少で、経営体数、就業者数ともに約15%前後減少してございます。  しかしながら、水産白書では、平成時代後半から漁業者1人当たりの生産額及び漁業生産額全体も、近年では増加傾向にあると発表しております。また、漁業者の所得向上や浜の活性化のための事業主体の様々な取組が生まれており、ICT、AIなどの新しい技術による漁業生産や水産物流通の技術革新が始まり、海外における水産物需要が増加するなど、我が国の水産業の発展、転換につながる明るい話題も出ているようであります。  そのようなことで、この水産白書では、平成期は我が国水産業の将来の発展につながる新しい動きも見いだされるようになった時代であり、転換点として、これまでの政策、制度の枠組みの見直しが求められていると指摘しております。  漁業センサスによる漁業就業者数と、その年齢構成及び漁業経営体数の推移について、本県と全国の状況をどのように捉え、今後どのようにICT、AIなどの新しい技術を生かし、本県漁業を持続可能なものにしていこうとするのか、堀口農林水産部長にお伺いをいたします。 30 堀口農林水産部長 委員からもいろいろ御紹介がございましたが、平成30年の漁業センサスによりますと、本県の漁業就業者数は1,216人で、10年前の1,568人に比べ352人の減少、減少率は22.4%。全国の31.6%に比べて小さくなっております。  また、就業者の年齢構成で見ますと、50歳未満では、ここ10年で19.1%の増加となっております。その構成割合は50.2%、約半数ということで、全国の31.6%を大きく上回っているという状況になってございます。  一方、漁業経営体数につきましては、平成30年で250経営体となりまして、10年前に比べ134経営体の減少、減少率は34.9%。こちらは全国の31.4%をやや上回っているということで、主に個人経営体の高齢化や後継者不足による廃業などが原因と考えられております。  県ではこれまでも、とやま漁業担い手センター等におきまして、就業相談窓口の開設や教育機関等との連携によります新規就業者の発掘、中期・長期での技術研修の実施などに取り組んできておりますが、今後持続的な漁業を推進していくためには、ICTやAI等の最新技術を活用できる担い手の育成確保が重要であると考えております。  このため、ICT搭載の魚群探知機や水中ドローンを活用した小型クロマグロの放流技術を開発しておりますほか、国が現在構築を進めているAI等を使った水産業のビッグデータの活用なども検討しております。  今後とも、本県漁業が持続可能で魅力ある産業となりますよう、ICT、AI等の新たな技術の活用に努めてまいります。 31 酒井委員 よろしくお願いいたします。  次に、水産加工業界は前回のセンサスに比べて、水産加工場、また調味加工品工場、練り製品工場、そして塩干品工場等は、落ち込みが大変厳しい状況であると聞いてございます。  一方で、近年需要が高まっている冷凍・冷蔵工場は、前回センサスに比べて増加しているということでございます。冷凍能力は7万1,754トンと1万4,667トン減少した一方で、凍結能力は1日当たり1,405トンで777トン増加し、その能力は倍増しているという結果が出ております。  この結果と傾向をどのように捉えて、水産加工業の活性化と日本一うまい魚と評される富山のさかなのブランド維持向上のために、今後どのように取り組んでいくのか、堀口農林水産部長にお伺いをいたします。 32 堀口農林水産部長 本県の水産加工場の事業所数は、加工原料価格の高騰による収益の悪化などの厳しい状況を背景に、平成15年以降減少いたしております。  一方、冷凍・冷蔵工場は、10年前と比べまして増加しており、関係団体からは、水産加工業者において安定的な生産や出荷に向け、原料の一定量保管や加工品の一時保管のため、冷凍施設の整備を進めてきたことなどによるのではないかと聞いております。  水産加工業は、原料として地域の水産物を利用するため、水揚げされた魚等の主要な販路となっておりまして、漁業経営の安定と水産資源の有効利用等に大きく貢献をいたしております。  このため県では、加工業協同組合の冷凍保管施設の整備あるいは新たな商品開発等を支援するとともに、漁業協同組合自らが地域の水産物を直接加工販売するための加工場や冷凍・冷蔵施設の整備などに支援をしてきております。  また、富山のさかなのブランド化につきましては、これまでも高志の紅ガニのブランド化をはじめ、首都圏での富山のさかなのPRに取り組んできておりまして、来月には、1か月間にわたり東京駅での富山のさかなを使ったレストランフェアを、来年2月には、首都圏での富山湾の魅力を発信するおもてなしフェアを開催することとしております。  今後とも、県内漁業の振興はもとより、水産加工業の活性化につながりますよう、富山のさかなのブランド維持向上にしっかり取り組んでまいります。 33 酒井委員 よろしくお願いします。  平成期は、漁業生産額のうち海面漁業生産額が6割から7割程度を占めて、2009年以降は横ばい傾向であります。一方で、海面養殖業生産額は、2014年以降は増加傾向にあります。8月6日に開催された有識者会議の意見を踏まえて策定された栽培漁業の推進方策にも、栽培漁業の重要性が盛り込まれております。  昨年は、滑川栽培漁業センターが改修されて、新たな事業もスタートしました。さらに来年は、氷見栽培漁業センターの改修が着手される予定でありますが、漁業関係者の期待は大きなものがあると考えてございます。  本県の水産業が発展していくためには、栽培漁業を積極的に進めるべきと考えるのでありますが、滑川、氷見各栽培漁業センターのそれぞれの役割を踏まえ、今後どのように取り組んでいかれるのか、石井知事の所見をお伺いいたします。 34 石井知事 本県では、お話のように、漁業経営の安定と水産物の安定供給のために栽培漁業を積極的に推進しておりまして、まず、深層水を利用して水温管理が可能な公社営の滑川センターでは、高水温では生産が困難なヒラメ、アワビを、また県営の氷見センターでは、高水温でも生産できるクロダイ、クルマエビを生産しまして、役割分担しながら栽培漁業に必要な種苗生産を行っております。  また、滑川の水産研究所では、キジハタとアカムツの種苗生産・放流技術の開発を進めておりまして、昨年8月に滑川センター敷地内に増設しました種苗生産施設も活用して、事業化に向けた研究を加速化いたしております。  県では、先月策定した栽培漁業の推進方策の中で、今後も両センターにおいて、ヒラメ、アワビ、クロダイ、クルマエビの4種を基本に種苗生産を行いますとともに、現在、滑川の水産研究所で生産・放流技術の開発を進めておりますキジハタについては、将来、栽培漁業の事業化のめどが立てば、氷見センターにおいて種苗生産を本格化することにしております。  また、それに伴って、滑川の水産研究所の種苗生産施設は、アカムツの種苗生産・放流技術の開発を重点化し、早期事業化を目指すことにしております。  今後、氷見センターでは、地元などからの要望を踏まえまして、クロダイの増産や、新たに小学生の社会見学や中学生の職場体験、また、産業観光としても活用可能な魚に親しむことができる魅力ある拠点として改修整備を行うこととしておりまして、引き続き、氷見と滑川の両センターの適切な役割分担を図って、それぞれの機能を最大限に生かしながら、本県の栽培漁業の一層の推進に努めてまいります。 35 酒井委員 ありがとうございました。終わります。 36 武田委員長 酒井委員の質疑は以上で終了しました。  ここで、換気のため暫時休憩いたします。  休憩時間は10分間といたします。                     午前11時01分休憩                     午前11時14分開議        津本二三男委員の質疑及び答弁 37 武田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  津本委員。あなたの持ち時間は60分であります。 38 津本委員 皆さん、おはようございます。  早速ですが、質問に入っていきたいと思います。  まず、最初の質問は、コロナ禍の医療機関の支援についてであります。  医療機関は、受診控えにより収益が減少し、経営が悪化しています。このため、3割の医療機関が夏の賞与を減額したと聞いています。命をかけて治療した医療従事者がボーナスカットという異常事態になっています。  各医療団体は、国に対し抜本的な財政投入を要望しています。放置すれば全国で資金不足や倒産が発生し、地域医療の崩壊につながりかねない、私もこのように危惧しています。  先日、川上議員も一般質問で取り上げられました。県は答弁で、コロナ患者入院医療機関の支援に触れられました。しかし、経営状態の悪化は、コロナ患者受入れの有無にかかわらず進んでいます。コロナ患者受入れの有無にかかわらず、国の責任による補填が必要と考えますが、知事の所見をお伺いいたします。 39 石井知事 県国民健康保険団体連合会のデータによりますと、医療機関からの今年4月から6月の診療報酬の請求は、前年同月比で件数が11.5%減、金額が7.4%減となっております。5月に大幅に落ち込んだ後、6月はかなり回復しているものの前年並みには戻っておらず、医療機関全体が厳しい状況にあると思っております。  これまで県では、医療機関に対しまして、国の緊急包括支援交付金を活用いたしまして、コロナ患者受入れのための病床確保を補償する費用や設備整備に係る費用のほかに、患者の受入れの有無にかかわらず、感染拡大防止対策に係る費用などについて支援する予算措置を行っております。  また、国に対しては、全国知事会と連携しまして、診療報酬の引上げや福祉医療機構による無利子・無担保貸付けの拡充など、経営悪化へ歯止めをかけるように、戦略的かつ継続的な対処を求めてまいりました。  去る8日にも、全国知事会の飯泉会長や地方税財政常任委員長を仰せつかっている私が意見交換に出席しまして、北村地方創生担当大臣に対して、受診控えなどによる医療機関等の厳しい経営状況を踏まえて、医療機関への経営支援を緊急包括支援交付金の対象としますなど、実情に応じて、都道府県の判断で柔軟に幅広く活用できるよう、見直しについて要請したところであります。  県としましては、既に予算化した医療機関に対する支援策の早期執行に努めますとともに、地域の医療機関の持続可能な経営の確保に向けまして、全国知事会とも連携しながら、今後とも国に働きかけてまいります。 40 津本委員 すみません、ちょっと聞き逃したと思いますが、経営支援ですね、資金繰りについてはいろいろ手当てがされている。ただ、実際に受診控えで減収が起きている。そのことにより経営が困難になっている場合の支援、これは一般質問の答弁では、コロナ患者受入れの医療機関への支援は緊急包括支援交付金の柔軟な活用というような答弁だったと思いますが、今の御答弁は、コロナ患者受け入れている、いないにかかわらず活用できるように国に求めていると理解していいですか。 41 石井知事 今の医療機関への経営支援を緊急包括支援交付金の対象とするなどと言っておりますのは、何といっても新型コロナの感染者、患者等を受け入れている医療機関が大変だと思いますけれども、それ以外の医療機関も含めて、実情に応じて都道府県の判断で幅広く活用できるようにならないかといったお願いをしております。  ただ、国のほうは、例えば一般の商店やいろんな事業所などでも非常に経営が厳しいところがあるわけですから、どこで線を引くかというのは非常に難しいということで、いろいろと今、思案をされているということではないかと思っております。 42 津本委員 ぜひお願いしたいと思います。  場合によっては、医療崩壊に近い地域も生まれるかもしれません。そんな危惧も持っていますので、よく実情を見ていただきまして、コロナ患者を受け入れている、いないにかかわらず支援体制を講じてほしいと、国に対しても強く求めていただきたいと思います。  では、次に入ります。  次のテーマはコロナ禍と学校教育について、何問か聞いていきたいと思います。  まず最初は、少人数学級の実現に向けた取組についてであります。  分散登校では、1学級20人以下で授業が実施されました。子供たちは落ち着いて授業を受けてくれる、一人一人の状況が分かり教えやすい、こういった声が出ていたと聞いています。また、分散登校が続いてくれればありがたい、このような声もあったとお聞きしました。改めて、子供たちのため、また教師のためにも少人数学級が求められていると感じています。  さて、新型コロナの感染リスクを抑えるため身体的距離を取ることが求められています。しかし、現状の40人学級ではできません。見直しが迫られています。  また、新型コロナによる長期休業により、今年度の小学校1年生が問題を抱えれば、高校を卒業する12年後、大学を卒業する16年後まで影響が及ぶかもしれません。  日本教育学会は、こうしたことを踏まえて、長期にわたって子供たちの学力を保障し、ストレスや悩みに応える学校づくりが必要だとして10万人の教員増を提案されました。この提案は大変重要だと思っています。そして、日本共産党、私たちも20人程度の少人数学級を提案しています。  その後、政府は骨太の方針で、少人数による指導体制を検討すると言い、文部科学大臣は、少人数学級を目指すべきだと教育再生実行会議で発言されたと聞いています。  少人数による指導というなら少人数学級がいいに決まっています。この機会を逃さないよう、少人数学級の実現に向けて、国に対し強力に働きかけるべきと考えますが、いかがでしょうか。教育長にお尋ねいたします。 43 伍嶋教育長 本県では、これまで小学校1、2年生は35人学級を、小学校3、4年生と中学校1年生では35人学級の選択制を実施してきておりまして、国の加配定数や県単独の講師を活用して、少人数指導と少人数学級を組み合わせた効果的な少人数教育を進めてきております。  また、学校現場では新型コロナ感染予防対策といたしまして、国の衛生管理マニュアルの基準を踏まえて、児童生徒の身体的距離を確保するため、例えば、普通教室では市松模様の机配置にしたり、あるいは特別教室などの広い場所、スペースを活用するなど弾力的に対応してきております。
     また、分割での授業も行っておりまして、その場合には、既に配置をしております加配の教員や非常勤講師を柔軟に活用して、それぞれの学校の実情に応じて身体的距離の確保に努めております。  また、委員からも御指摘のありました政府の骨太の方針、また国の教育再生実行会議では、感染症対策やICTの本格活用のための少人数による指導体制について今後検討することとされております。  県教育委員会といたしましても、新型コロナの感染リスクに対応し、きめ細かな教育をさらに推進していくためには、国において学級編制基準の見直しに向けて議論していただくことが必要であると考えております。これまでも要望してまいりましたが、今後とも、学級編制基準の見直しや教職員定数の改善につきまして、国に対して強く要望してまいりたいと考えております。 44 津本委員 今、御答弁いただきました。ちょっと分かりづらかったのですけれども、少人数学級を求めていきますという答弁だったんでしょうか。 45 伍嶋教育長 少人数学級がやはり望ましいと考えておりますが、ただ、それを実施していく場合には、必要となる教職員の定数を確保する必要があります。その意味でも、学級編制基準の見直し、また必要な教職員の確保、さらには、必要な財源も確保していただきたいという旨であります。 46 津本委員 県としては求めていくというふうに答えられたんだろうと私は受け取ります。  私は、これからの日本をつくっていくのは子供たちだと。だから、教育を費用対効果、あるいは経済効率性といったような目先の物差しで測るようなことがあってはならないと思っています。教育にかけるお金は必ず未来につながる、そのように思っています。  日本では長い間、少人数学級への動きが止まっていました。その間に、世界のほうはどんどん進んできていまして、OECD37か国の中で下から2番目になってしまっている、そのようなことを読みました。  少人数学級はコロナ禍の中で、今私たちが子供たちにしてやれる最大の贈り物になると思っています。ぜひこの機会に実現させたい、実現したいと思っていますので、県もそのつもりで取り組んでいただければと思っています。  では、次に進みたいと思います。  教員の確保についてです。  教員免許を取得しながら一般企業に勤務していたり、非正規雇用の職にとどまっている方々がおられます。日本教育学会は、教員10万人増を提言するに当たり、これらの方々を教員免許保持者のプールと呼び、活用を提言されました。20代、30代だけでも数十万人、100万人はいると日本教育学会は言っておられます。  県は、臨時的任用教員の確保に苦労しています。この提案に着目し活用することを検討すべきと考えますが、教育長の所見をお伺いします。  ただ、問題は安心して教師になれる、短期間の雇用としないことをしっかりメッセージとして伝えることができるかどうかにあります。いかがでしょうか。 47 伍嶋教育長 全国的に教員の確保が難しい中、これまでも県教育委員会では、新規の採用教員のみならず再任用教員、また臨任講師も含めて、様々な取組によりまして教員の確保に努めております。  具体的な取組を申し上げますと、新規の採用教員については、従来からの特定資格や専門的な知識、また社会人経験等を有する方を対象とした別枠の採用に加えまして、昨年度は現職教員に対して1次検査の筆記検査を免除することとしております。  また、採用困難な専門科目について、教員免許を持たない社会人経験者の採用を開始しましたほか、今年度からは大学推薦の導入、また1次検査の一部が免除になるような講師要件の緩和をするなど、受検者数の増加を図るため不断の見直しを行っております。  さらに、先ほど委員から紹介のありました日本教育学会の提言にもありました再任用教員、この教員につきましては、少しでも多くの方が安定した職場として希望していただけますよう、昨年度から処遇改善を図るため年収を引き上げております。これに加えて、さらに、年度末に行っていた任用決定時期も前倒しをしまして、12月末に内定通知を出すなど幅広く声かけを行っております。  また、臨任講師についても同様に、早い段階での任用依頼をする、あるいは内定通知の前倒しを行うなど、御提案のありました教員免許保有者のプールや、雇用の安定にも十分配慮しながら人員確保に努めております。  今後も、教員確保の難しい状況は続くと思われますので、教員の多忙化解消、また教員の魅力のPRにも取り組みながら、教員全体としての採用確保に引き続き取り組んでまいります。 48 津本委員 いつも感じるわけですが、御答弁いただくんだけど、結局、私が聞いていることに答えていただいたかどうかがよくわからない。私が提案したのは、日本教育学会が提案する教員免許保持者のプール、20代、30代、これまで多分、教員に採用してもらおうということで試験を受けられたけども、なれなかった人たちがかなりおられるということだと私は理解しています。  そういう人たちを対象として着目してはどうか、その人たちに向けて教員採用を呼びかけるといいますか、そういったことはどうだろうと提起しているわけで、その答えをいただいたのかもしれませんが、率直に分かるように言っていただければありがたいです。 49 伍嶋教育長 例えば、日本教育学会で教員免許保有者のプールというお話がありました。教員免許を持ちながらも民間企業に就職をされている方、また、教員になりたくてもかなり高倍率の時代がありまして教員になれなかった方、こうした方にいかに再度進路変更して教員の道を目指していただくか、これが非常に大事だと思っています。  その意味では、今ほど答弁も申し上げましたけれども、例えば専門的な知識や社会人経験を有する方で教員免許を有する方については別枠の採用を行っております。あるいは、さらには1次検査の筆記検査も、ある程度緩和、免除など、より受けやすくする取組をしているということでございます。  それと、先ほど委員からもありましたけれども、やっぱり短期間ではなくて安定した雇用、そういった職場として雇用することが必要だとおっしゃいましたので、その例示として、例えば再任用教員については、過去は臨時的任用教員よりも年収が少なかったことがございました。こういったことを踏まえまして、やはり経験豊かな再任用教員はぜひとも教員を目指してほしいということで、今、家庭におられる方とか、そういった方に、さらに再度、教育現場に戻ってきていただきたい、そういうインセンティブを働かせる意味でも年収の引上げを行いまして、これは年間で約32万円引き上げましたけれども、そういった雇用の安定性にも配慮しながら採用に取り組んでいるということでございます。 50 津本委員 やっぱり答えていただけていないんだと改めて感じました。  再任用教員というのは、一応退職されてまたということですよね。先ほど言った教員免許保持者のプール、とりわけ若い20代、30代のところにも道が開けるように、先ほど別枠の採用もやっておられるということでありましたので、本当に教員を確保するというのが私たちも困難だと心配していますので、教育委員会として、ぜひいろんな知恵も発揮していただきたいと、そこにも着目していただければと思っていますので、今日は提案したということでよろしくお願いします。  では、次に移ります。  オンライン授業の推進に当たっての質問をしたいと思います。  オンライン授業に向けて、生徒1人1台のタブレット端末整備が進められています。しかし、タブレット端末さえ用意すれば進むというものではありません。教師たちが行うICT教育で使う教材づくりの環境整備、オンライン授業で発生する様々な問題に対処できるサポート体制、これらも一緒に整備されなくては前に進まないと私は感じています。  そこで、具体的にお尋ねしていきたいと思います。  まず、教員が使うパソコンについてです。  多忙の中、限られた時間で仕事をしなければならないにもかかわらず、昨年度更新したパソコンはメモリー容量が小さく動きが遅い、こういった声を聞いています。ICT授業を進めようとするなら、その教材をつくる教師がさくさくと、このさくさくというのは多分私の個人的な表現かと思いますが、パソコンを動かしていくときに、思ったとおりに、さっといくという状況ですが、さくさくと仕事ができる環境整備も必要だと思います。  教員用パソコンについて改善を進める必要があると考えますが、いかがでしょうか。教育長にお尋ねいたします。 51 伍嶋教育長 県立学校におけるICT教育の環境整備については、教育委員会内で構成するワーキンググループを平成28年度に設置いたしまして、ICTの利活用について検討を進めてまいりました。  今、委員からお尋ねのありました昨年末に各学校へ納入したパソコンにつきましては、機器の故障または不具合などが生じた場合には、受託事業者が設けている校務用LANヘルプデスクなどにおきまして相談を受け付けるとともに、速やかに業者による原因特定や修理対応を行っているというところであります。  このほか、授業等で使用する、例えば動画や画像、あるいは最近ではデジタル教科書、こういった導入を目指していろんな研究を各教員にしていただいていますけれども、そうした場合にメモリー容量が不足することもありまして、動作が遅くなる事態も発生しているということを聞いております。  このため、来月10月以降になりますけれども、情報を担当する職員が直接各学校に出向きまして、パソコンの実態調査を行い、今後、例えばメモリー増設などの改善により、委員がおっしゃった、さくさくとした動作環境の中で仕事ができるように、そういったことを検討していきたいと思っております。  なお、9月補正予算案におきましても、生徒及び教員1人1台のタブレット端末配備を予定しておりますので、これも含めて、今後とも各教員が授業、またその他の校務で効率的にICTを活用できるようにしっかりと取り組んでまいりたいと思っております。 52 津本委員 ぜひお願いしたいと思います。  問題になっているパソコンはどんなものかといいますと、4ギガバイトのメモリーがあってウインドウズ10が入っている。実は、私が使っているのも同じで、4ギガバイトでウインドウズ10。私は操作のほうが遅く、パソコンの処理速度のほうが早いのでそんなにストレスは感じなかったんですが、一緒に住んでいる息子に聞きますと、パソコンを立ち上げただけで2.5ギガバイト使ってしまう、立ち上げただけですよ。4ギガバイトの能力のうち2.5ギガバイトをもう既に使ってしまう。  いろんなOSを検証されているサイトも調べましたが、何せウインドウズ10というのはいろんな機能を入れ込んだOSだから、これまでのウインドウズとは全然違うと、さくさくいかない。新しいOSだけに、メモリーの容量も処理能力も大きくないと、先ほど言われたとおり、何かを一緒にやろうとしたらもう動作が遅くなっていくと。この人の表現では、ワンテンポ遅れる感があると。遅いというわけじゃないんだけども、一つ一つの動作がワンテンポ、こっちがぱたぱたと入れているのに、ぱったぱったと。そんな状況ではストレスがたまるばっかりで、これからICT教育で教材も工夫してつくっていこうというときに、できるだけストレスがないような、これから慣れていく人もたくさんおられると思いますので、私は、全てのパソコンを基本的にさくさくといくようにしていただきたいと。これは余談のような感じでありますが、せっかく調べましたので御紹介したいと思います。  次に移りたいと思います。  ICT専門職員、あるいはICT支援員についてであります。  ICT教育やオンライン授業について、教員によって習熟度が異なり、これが負担になっている先生もいると聞いています。また、タブレット端末の不具合や突然のフリーズなど、教員がトラブルの対処を全て背負うと、さらに多忙化が進んでしまうことになります。  オンライン授業について、教員や子供、また家庭をもサポートするICT専門職員を各学校に配置する必要があると考えますが、いかがでしょうか。教育長にお尋ねいたします。 53 伍嶋教育長 県内の小中学校及び県立高校等において、児童生徒1人1台端末などのICT環境の整備を進めておりますけれども、今後こうしたICT機器を授業で有効に活用していくためには、教員のICT活用指導能力の育成や生徒の端末活用能力の育成はもとより、委員からも御指摘のありましたように、運用上のトラブル対応への支援など、教員の負担軽減を図る観点からも、現場を支える専門人材の配置が極めて重要であると思っております。  このため小中学校では、県内9つの市町村でICT支援員を配置いたしまして、学校のICT環境の整備をはじめ、授業のほか、校務や研修などいろいろな支援業務を行っております。このほか10の市町村では、国の補助事業も活用してICTに知見を有する技術者を配置して、これはGIGAスクールサポーターと呼んでおりますが、そうしたサポーターを配置いたしまして、ICT環境の整備を一体的に支援しているというところであります。  また、県立高校におきましても、こうしたICT支援員を派遣していますほか、特に情報教育担当の研究主事が各学校に出向きまして、効果的な授業を展開するための研修を行っております。  現在、教育委員会内に設置したワーキンググループにおきまして、こうした1人1台端末環境への移行を見据えて、技術的な支援として民間技術者等の外部人材の活用や、効果的で質の高い授業を支えるためのICT教材、指導事例の提供、また専門知識を持つ教員の養成など、学校へのバックアップ体制について検討を進めておりまして、今後ICT環境がさらに充実するよう、また委員のおっしゃった、家庭にもいろいろ支援や助言ができますよう、そうした体制を構築することに努めてまいりたいと思っております。 54 津本委員 1つだけ事例を教育長にお聞きしようかと思ってまいりました。  例えば、オンライン授業をやっている。ところが、ある子が「つながりません」と来た場合、それを対処するのは先生か、それとも、委託された、言わば外部人材か。例えばこういった場合、教育長はどう考えておられるか、これから検討していくということですので。  先生がオンラインの授業をやっている、その間に「つながっていません」とか「全然動きません」と言われたときに、どんな対応をするのか、当然検討されると思います。  私は、スムーズにちゃんと対処できるような体制まで考えないといけないと思っています。こういうのは結構あると思いますので、例えばですが、教育長はどう考えておられますか。 55 伍嶋教育長 委員おっしゃいますように、単なるハードとしてのICT機器の配備だけでは、円滑な授業の遂行というのはやはり難しいかと思います。特に、トラブルが生じた場合に誰がそれを支援するのか、これは極めて重要だと思っております。  今ほど答弁申し上げましたように、そのためにも技術的な支援を行う外部人材──ICT支援員、またサポーターの配置などが必要ですし、県立高校で言いますと、今、各学校にICT教育推進リーダーという者を二、三名配置しております。これは、常時、外部の人材が各学校に、全ての授業に張りつくということは困難でありますので、やはり内製化といいますか、各学校で支援ができる人材を教員として育てることが必要だと思っております。  できれば、小中学校においてもこうした取組が進められて、それぞれの授業で各担当教員あるいは学級担任がストレスフリーで授業ができますように、将来的にはそういった姿を目指したいと思っています。 56 津本委員 取りあえず出発するということですので、言わばサポート体制といいますか、よく検討していただきたいと。これも一緒に出発しないと、いろんなトラブルがあって、そのトラブルがあった子供たちは放置しておきなさいということは絶対してはならないわけで、そういったことをやっていただきたいと思います。  ただ、内製化についても若干不安がありまして、先生たちがそのリーダーになるとしたら、先生たちも多忙化しているわけだから、ほかの先生がその人に頼めるかという問題がありますので、ぜひそこのあたりも検討していただきたいと思います。  次に移りたいと思います。  高校再編対象となった4校の教員配置について、簡単にお尋ねしたいと思います。  現在、この4校の生徒は2学年と3学年のみです。生徒数を基礎とした法定の教員数では授業が回らないために、1校に1人教員が加配されていると聞いています。  では、来年度はどうなるのか。3学年のみとなり、さらなる対応が必要となります。当然に検討されているとは思いますが、教育長の所見を伺います。 57 伍嶋教育長 高校再編は、高校教育の一層の充実を図るという観点から取り組んでおりまして、今後、新入生が入学してこない再編対象校においても、これまでと同様に充実した高校生活が送ることができますように、重点的に支援するということを考えております。  具体的に申し上げますと、再編統合対象の4校につきましては、拠点校に指定をして高校教育の変革に的確に対応できる授業改善に取り組むこと、また、研修会や講演会などの学校行事の魅力化に向けて授業の助成などの特別の支援を行うこと、また、特色ある部活動施設の整備や、あるいはスクールカウンセラー等の大幅な拡充配置、こういったように教育環境の一層の充実に取り組むこととしております。  お尋ねの来年度の教員配置についてでありますけれども、再編統合対象の高校で学ぶ生徒が卒業するまでの間、生徒の選択科目や少人数教育を推進していく上で充実した学びの機会が保障されるよう、今年度は従来の加配教員に加えまして、1校に1人配置をしております。来年度についても、前期の再編と同様、必要な人員について継続して配置をしていくこととしたいと考えております。  今後とも、再編統合対象の高校に在籍する生徒が希望を持って学び、そして母校への誇りや愛着を胸にしっかり卒業していけるように取り組んでまいりたいと考えております。 58 津本委員 充実した高校生活を送れるようにということで、それは本当にそうだと思っています。ただ、まだ決まっていないわけですね。まだ、検討中ということでこれからということですか。すみません。私、スケジュールあまりよく分かっていなくて。 59 伍嶋教育長 教員の配置につきましては、これから全体の流れの中で行っていくことになりますけれども、今ほど申し上げましたとおり、前期高校の再編に倣いまして、基本的には、必要な教員については加配という形で配置をする、そういった形で検討していきたいと考えております。 60 津本委員 では、よろしくお願いします。  次の問題に移ります。  豪雨災害の減災対策についてです。  まず1点目は、気候変動で豪雨災害が頻発、激甚化しています。そこで、庄川河川の整備についてお尋ねしたいと思っています。  庄川河川の中で、庄川と和田川との合流部が最も弱い箇所になっている、このように私は思っています。洪水浸水想定区域図によれば、庄川のバックウオーター現象が起こって和田川が決壊すれば、周辺には3メートルから5メートルの深さで浸水する箇所もあります。  そこで、庄川と和田川の合流部について、できるだけ早期に河川堤防を整備すべきと考えますが、いかがでしょうか。土木部長にお尋ねいたします。 61 江幡土木部長 庄川と和田川の合流部につきましては、洪水時に庄川の水位が高くなりますと、その影響を受けて和田川の水位も上昇する、いわゆるバックウオーター現象が発生いたしまして、結果として、和田川の堤防高が不足し氾濫が生じる可能性があることから、国が策定した庄川水系河川整備計画において、この合流点の処理が必要とされております。  これまで国におきまして、和田川の堤防の整備、水門の設置、合流点の下流側への付け替えなどの案から、適切な処理方式の検討、選定が続けられておりまして、県も国と合同で、毎年、現地で沿川の状況などを調査いたしまして、国と意見交換などを行っております。  これまでの検討によりますと、国からは、現在の和田川の堤防の整備──かさ上げや拡幅ということになりますけれども、あるいは新しい川を開削して合流点を下流側に付け替えると、こういう方法につきましては、それぞれ非常に多くの用地を必要といたしまして、地域社会に与える影響が大きいということ、また、逆流防止で水門を設置する方法もございますけれども、これは大規模な排水施設が必要となりまして、建設コスト、維持管理費が必要になるということなどの課題があると聞いております。  委員から、できるだけ早期にという話がございましたけれども、県としましても、和田川の合流点における整備は、沿川住民の安全・安心を守る上で重要と考えておりまして、また地元射水市からも早期整備を要望されております。  引き続き、和田川の管理者として、国と合流点処理の方式について調整を図りまして、国において早期に着手されますよう取り組んでまいります。 62 津本委員 最近の気候の状況を見ますと、本当に早期が求められていると思っていますので、よろしくお願いいたします。  では、次に入りたいと思います。  高齢者や要介護者の避難についてであります。  先ほど酒井委員からも触れられました。ほとんど同じかなと思いながら、私からも聞きたいと思っています。  先月8月、先ほどお話がありました障害者フォーラムで、「障害者と災害」をテーマにした熊本学園大学の東俊裕教授の講演で、衝撃を受けながら聞き入っていました。  災害の犠牲者は介護を要する高齢者や障害者に集中しています。2018年西日本豪雨災害における岡山県真備町での犠牲者は51人、そのうち42人が避難行動要支援者名簿の登載者でした。2階があっても階段を上ることができず、避難できなかった人が少なくなかったとのお話でした。  そこで、以下、質問したいと思います。  避難行動要支援者の避難支援の個別計画の策定についてであります。先ほど酒井委員が個別計画と言っていたのはそれだろうと私は思っています。災害の犠牲者をなくしていく上で、避難行動要支援者に着目し、避難支援の個別計画を策定していくことはとても重要だと私はこの機会に学びました。しかし、市町村に推進するノウハウを持った担当部署がなく、なかなか進まないというのが、また現状でもあると理解しています。  そこで、ケアマネジャーが平時のケアプランと同時に災害時ケアプランを作成し、地域の防災訓練の中で検証し改善していくという別府モデルを採用してはどうかと考えますが、厚生部長の所見をお伺いいたします。  情報開示も1つのネックになっているわけです。情報開示というのは、支援が必要な人が、言わば助けてもらうのは地域の人だったりするわけだから、私は必要ですということを言っていいかどうか、それが情報開示だと理解していますが、ケアマネジャーはこの情報開示のノウハウも持っておられます。また、障害に応じてどのような支援が必要かの判断もできます。  ただ、災害時のケアプランの作成には手間暇がかかりますので、ケアマネジャーにはそのための報酬を支払うことが必要となりますが、いかがでしょうか。 63 石黒厚生部長 先ほど酒井委員の御質問にもお答えいたしましたけれども、今、委員からお話がありました別府市などにおける取組につきましては、やはり全国における先進的な取組であり、ケアマネジャーなどの福祉専門職が積極的に関わる、こういうことが実効性の高い個別計画の策定につながるということで大変期待をしているところでございます。  先ほども申しましたが、現在、内閣府において、ケアマネジャーなど福祉専門職の関与を通じた個別計画の策定促進なども含めまして議論を進めており、既に4回のサブワーキンググループを開催されております。近く、中間取りまとめの案が出されるものと聞いておるところでございます。  そういうことを踏まえまして、県はこれまでも研修会の機会等を通じて事例紹介をして、個別計画の策定を市町村に進めていただくよう要請しておりますけれども、ただ、委員もおっしゃられたとおり、ケアマネジャーの方に積極的に関与していただきたいのですが、そのケアマネジャーの方の負担や情報開示、あるいは報酬のことも含めて、やっぱり課題がいろいろあるとも聞いております。  そういうことも含めまして、国の動きを注視しながら市町村に対して十分な情報提供を行い、またいろいろな研修等での働きかけも行いまして、実効性の高い個別計画の策定を進めていただけるよう、県としても働きかけてまいります。 64 津本委員 あまり時間もありませんので、要望だけしておきたいと思います。  先ほど酒井委員から兵庫県のお話がありました。兵庫県では、2年前から、言わばモデル的に36の市町村でやってもらっていた。今年からだと思いますが、全県でこの方式を採用したと。私は、兵庫県、偉いなと思って見ています。  今、本当に急がれていると思うんです。災害の犠牲をどうやって減らすかということで、これは先ほど言われましたが、実効性が上がる、期待できるやり方だと思っています。国が近々、中間報告、方向を出すと言っていますので、私も期待していますが、県も全県に一気に広がるように、例えば、先ほど言われたように財政負担が伴ってくる可能性があるんですよね、負担が伴ってくる可能性がありますので、市町村を応援して一気に広げるように、ぜひ検討いただきたいと思います。  では、次に行きたいと思います。  避難所のバリアフリー化についてお尋ねしたいと思っています。
     介護や障害などで一般避難所が困難な人には、福祉避難所が開設されることになっています。しかし、現在の制度では、このような人たちもまず一般避難所に行かなくてはなりません。そこから市町村担当者の判断に基づいて福祉避難所に移動することになっています。しかし、避難所のバリアフリーが進んでいなければ、一次避難所に行くこと自体、ちゅうちょすることになってしまいます。  東教授のお話によれば、2016年の熊本地震のとき、車椅子では利用できないトイレ、障害に対する無理解、障害者の存在を想定しない運営などで、物理的、心理的障壁が原因で多くの障害者が一般避難所を利用しなかったとのことでした。壊れた家に戻ったということでありました。要介護者、障害者が避難所を利用できなかったら、その先の福祉避難所は絵に描いた餅になってしまう、先生はこのように指摘されていました。避難所のバリアフリー化は、本当に切実になっていると思います。  そこで、一般避難所における要配慮者のバリアフリー化に向けて、現状を踏まえ、今後どのように取り組まれるのか、厚生部長にお尋ねいたします。 65 石黒厚生部長 県のガイドラインでは、市町村におきまして、避難所において通路の確保、出入口やトイレへの通路の段差の解消、多目的トイレの設置など、こういうことを具体的に市町村に対して整備していただきたいと示しております。  市町村に状況をお伺いしたところ、避難所の多くが公共施設であり、あらかじめ高齢者や障害者などの利用も想定した施設整備となっており、基本的には対応しておるということでございました。  県としては、引き続き市町村にそういう施設整備、あるいはその充実について働きかけをしてまいります。 66 津本委員 さらに要望ですが、先生のお話だと、言わばトイレは物理的障壁になるんですね。さらに、それ以外に社会的障壁や心理的な障壁もいろいろ伴うということもありますので、ぜひそういった面もバリアフリー化が進むように、県からも働きかけていただきたいと要望しておきます。  次に移ります。  要配慮者の状態によっては、一般避難所を経由せず福祉避難所に直行できるようにして、その内容を避難支援の個別計画に反映できるようにしてはどうかと考えますが、いかがでしょうか。厚生部長にお尋ねいたします。 67 石黒厚生部長 国のガイドラインでは、福祉避難所への要配慮者の受入れに関しましては、まず一般避難所に避難される方の心身の状況を把握し、支援の必要性等を判断した上で福祉避難所への避難対象者の優先順位を決定するとされているところでございます。  その後、福祉避難所の受入れ体制が整った段階で、優先順位の高い人から移動されることとなっておりまして、現在のところ、要配慮者が福祉避難所に直接避難することは想定されていないというところでございます。  県といたしましては、引き続き、災害時に要配慮者が安心して避難できるよう、一般避難所や福祉避難所の確保と施設の充実、こういうことを市町村に働きかけてまいりたいと考えております。 68 津本委員 時間も迫ってまいりました。  先ほど提案しましたように、一般避難所に行って福祉避難所に行ける。ところが、一般避難所のバリアフリー化が不十分だったら、もうそこには集まらない。結局その人たちはどうするかとなってしまうわけで、もし先ほど平時のケアプラン、プラス災害時の緊急時のケアプランをつくれば、もう分かるわけですよね。この方は普通の一般避難所では生活できない、1日たりともいられないというのは分かるわけで、その方はすぐに福祉避難所に行ってもらう。  ただ、難しいのが、福祉避難所を開設する権限は市町村にある、言わば直行する場合にも、どうするかという調整が必要になるのは分かります。ただ、そういったこともぜひ検討していただきたいと思います。場合によっては、制度上の問題として国に意見を言ったりとかも含めて、よく検討していただきたいと思います。  では、次に入りたいと思います。  あわせて、あいの風とやま鉄道の駅のバリアフリー化についてお尋ねしたいと思っています。  射水市では、バリアフリーマスタープランを策定しまして、越中大門駅を含めた大門・大島地区において、移動などの円滑化、バリアフリー化に向けた整備を進めるとしています。その中でも、駅構内のエレベーター設置によるバリアフリー化に向けた整備が大事になっています。  越中大門駅の構内にエレベーターを設置し、バリアフリー化を進めていただきたいと考えていますが、今後どのように進めていくのか、知事にお尋ねいたします。 69 石井知事 駅のバリアフリー化につきましては、国の移動等円滑化の促進に関する基本方針で、目標として1日平均利用者数が3,000人以上の駅は原則として全てバリアフリー化を行い、また3,000人未満の駅については、高齢者、障害者等の利用実態に鑑みて、市町村によるバリアフリー基本構想の作成状況、地域の実情を踏まえて可能な限り実施するとされておるわけであります。  越中大門駅については、令和元年度の1日平均利用者数が2,062人でありますことから、射水市では、昨年度、越中大門駅を含む大門・大島地区を移動等円滑化促進地区として定めたバリアフリーマスタープランを作成されて、今後さらに基本構想の作成に取り組まれると伺っております。  県としましては、これまでも駅のバリアフリー化については、国に対して補助採択基準の緩和や地域の実情に応じた補助採択などを要望してまいりました。昨年も事務次官や鉄道局長などにもお願いしてきたところです。  こうした取組を受けて、国のバリアフリー施策のあり方検討会における中間取りまとめで、1日平均利用者数が2,000人以上の駅について、バリアフリー基本構想の作成を前提として、原則全て整備することを目標に追加する検討を行うことが示されております。あくまで中間取りまとめですけれども。  駅のバリアフリー化は多額の事業費を要しますので、県としましては、引き続き国の補助採択基準の緩和や予算の確保などを国に強く働きかけますとともに、一方では、市町村の基本構想作成を支援しますなど、バリアフリー化の推進に努めてまいります。 70 津本委員 大変期待が持てるような答弁をいただいたかと喜んでいます。ぜひ県としても進めていただきたいと思います。  では、次に入りたいと思います。  テーマとしては、気候変動に対する取組についてお尋ねしていきたいと思います。  ちょっと前置きがありまして、聞いていただきたいと思います。  夏は30度を超えるのが当たり前、40度を超えるところも発生する、100年に一度の豪雨が毎年のように発生する、経験したことのない強力な台風が発生するなど、気候変動の影響が出てきています。  2015年に締結されたパリ協定は、世界の平均気温を産業革命前と比較して2度より十分低く抑え、1.5度に抑える努力目標を設定いたしました。ちなみに、現在の上昇は1度とされています。たとえ1.5度に抑えたとしても地球環境に深刻な事態をもたらすとされています。  その上で、昨年2019年9月に開かれた国連気候行動サミットでは、先進国を中心に65の国が、2050年までに温室効果ガス排出量を実質ゼロにすると表明しました。残念ながら日本は入っていません。世界中の国が協力して温室効果ガス排出量を実質ゼロにするまで、世界の平均気温は上昇し続けます。  最近のIPCCの報告書によれば、現在のペースで温暖化が進めば、2050年を待たず、2040年頃に1.5度上昇に達してしまう。2050年の時点で1.5度に抑えるためには、10年後、2030年までにCO2排出量を基準年の2010年比で約45%削減し、上昇のスピードを抑制する必要があるとの推計を出しました。  これらを踏まえて、以下お尋ねしたいと思います。  まず1点目は、国への働きかけです。ゼロカーボン宣言をしている自治体として、2050年までのゼロカーボン実現に向けた取組を国に対し働きかけるべきと考えますが、知事の所見を伺います。  国の目標は、2050年までに温室効果ガスを80%削減するというものであって、実質排出ゼロについての期限は示されていません。また、石炭火力発電は二酸化炭素を大量に排出します。石炭火力発電所を新たに22基も建設しようとする国の計画についても見直しが必要と考えています。いかがでしょうか。 71 石井知事 IPCC特別報告書によりますと、地球温暖化が現在の進行速度で進むと、2030年から2052年の間に、世界平均気温が産業革命以前の水準と比較して1.5度上昇する可能性が高いと。また、1.5度以内に抑えるには、2050年前後にCO2排出量を実質ゼロにする必要があるとしておるわけであります。  国は昨年6月に、パリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略を策定しまして、最終到達点として脱炭素社会を掲げて、それを野心的に今世紀後半のできるだけ早期に実現することを目指す。そして、2050年までに温室効果ガスの80%削減に取り組むとしているわけでありますけれども、気候変動は、今お話にありましたように喫緊の課題でありますので、国内外からより積極的な取組が求められております。  そこで、私ども富山県も参加する全国知事会ゼロカーボン社会構築推進プロジェクトチームでは、国が自らゼロカーボンを表明してリーダーシップを取って積極的に取り組んでいただくように、去る8月に国に緊急提言をいたしております。  また、本県としては、国の80%を上回る、2050年までに温室効果ガス排出量実質ゼロを目標とした、とやまゼロカーボン推進宣言を去る3月に、これは全国で初めて、私ども県と事業者の代表、県民の代表の三者あるいは四者で宣言した形になりましたけれども。  あわせて、国にも環境イノベーション推進等を働きかけますとともに、まずは昨年策定した新とやま温暖化ストップ計画を着実に推進することにしたいと。  また、国では地球温暖化対策計画等の見直し等に着手されておりますので、今後とも目標の見直し等について、全国知事会とも連携しながら適切に働きかけてまいります。 72 津本委員 国に対して、知事会として提言されているということですので、ちょっと期待はしています。  いずれにしても、富山県が2050年にゼロカーボンを実現するといった場合は、国のほうが80%削減では物すごい困難があるので、強力に国に求めていただきたいと思います。  もうちょっとだけ時間がありますので、もう一問だけお願いしようかと思います。  再生可能エネルギーの取組の取扱いについてです。  県では、再生可能エネルギービジョンに基づいて、小水力発電など再生可能エネルギーの取組を進められています。  しかし、この取組によってもたらされる温室効果ガス排出削減効果は、新とやま温暖化ストップ計画に反映されていません。小水力発電など再生可能エネルギーの取組を新とやま温暖化ストップ計画に反映し、県のゼロカーボンに向けた取組としてしっかり位置づけることが必要と考えますが、生活環境文化部長の所見をお伺いいたします。 73 竹野生活環境文化部長 2019年8月に策定いたしました新とやま温暖化ストップ計画は、地球温暖化対策推進法の規定に基づき、国の地球温暖化対策計画に即して策定しており、2030年度の温室効果ガス排出量を30%削減する目標を設定しております。  この目標は、将来の再生可能エネルギー導入の見通しを織り込みました国の2030年度エネルギーミックスの実現を前提とした上で、本県の人口や世帯数、産業などの特性を踏まえまして、さらに本県独自のとやまエコ・ストア制度やエコドライブなどの取組効果も加味して設定したものであります。  富山県再生可能エネルギービジョンでは、2021年度までを計画期間としておりまして、小水力発電所の整備を2012年度比、約2倍とするなどの目標を立てておりますが、これらの削減効果につきましては、先に述べましたストップ計画におけるエネルギーミックス実現による再エネ割合の増加分として、既に本県の削減目標に含まれているものと考えております。  また、再エネビジョンで推進される再エネ導入等の取組につきましてはストップ計画に位置づけられ、とやまゼロカーボン推進宣言の際にも、ゼロカーボン実現のための施策の一つとしているところであります。  環境部局といたしましては、再エネビジョン及びストップ計画の取組効果が温室効果ガス排出量削減に反映され、ゼロカーボン実現につながりますよう、小水力発電をはじめとする再生可能エネルギーの導入促進等に取り組んでいる商工部局等とも、今後とも連携して取り組んでまいりたいと考えております。 74 津本委員 以上で終わります。 75 武田委員長 津本委員の質疑は以上で終了しました。  暫時休憩いたします。  午後の会議は1時10分に開会いたします。                     午後0時15分休憩                     午後1時09分開議        針山健史委員の質疑及び答弁 76 藤井副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  針山委員。あなたの持ち時間は60分であります。 77 針山委員 お疲れさまです。自由民主党、針山健史でございます。  昨年12月議会以来、2回目の予算特別委員会での質問の機会をいただきました。限られた時間でありますので、さくさくと質問を進めてまいりたいと思います。  ところで、前回と、各部局長さんの顔ぶれが大きくさま変わりしていると感じております。さぞ大規模な人事異動が行われたのではないかと推測いたします。  私も以前勤めておりました金融機関では、22年間に砺波、福野、高岡、福光、合計9回の転勤を経験してきました。大体1週間前に内示があるのですが、異動が決まると、お客さんへの挨拶、書類や事務の引継ぎなど通常業務以外の仕事に追われ、大変だったことを思い出します。できれば異動は絡みたくないなと思っておりましたが、お客さんからは、「銀行員は転勤ごとに、異動ごとに偉くなっていくもんや。また偉くなって帰っておいで」と励ましもいただいたものです。ただ、今から思えば、今だから言えますが、嫌な上司と離れることができるのも異動の魅力であるとも考えております。  新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受けて、多くの民間企業は人の移動を避けるために、経費節減のため、またコロナ対応による業務負担を考慮し、人事異動を控える傾向があります。県でもそういった意識はあるのだと思いますが、最近の県庁職員の人事異動の状況と異動の考え方を滝経営管理部長にお伺いいたします。 78 滝経営管理部長 近年の4月の人事異動でございますが、教員等を除きます異動件数は平成28年度が2,029人、平成29年度が2,132人、平成30年度が2,090人、平成31年度は2,022人で、今年度が2,142人ということで、確かに御指摘があったとおり、今年は大規模な異動でございました。  これは北陸新幹線の敦賀開業、早期大阪延伸に向けた取組の強化や、子供・子育て支援の充実、5Gの利活用、移住・UIJターンの促進といった重要施策を、総合的、戦略的に推進するための組織の見直し、強化に併せて、重点的な人員配置あるいは配置の見直しを行ったということによるものでございます。  なお、この4月の人事異動を内示させていただいた時点で、県内の感染者はゼロということでございましたし、4月1日発令日の時点での県内のコロナ感染者は7名と少なかったわけではございます。  一方で、コロナ対応を直接的に所管いたします、例えば厚生部の健康課長につきましては、4月の人事異動の3週間前に、後任となる方に前倒しで併任をしていただいて、前任の方と3週間、業務の引継ぎ期間を十分取ったということで、対応に遺漏がないようにもしているところでございます。  県職員の異動につきましては、様々な業務を経験することで幅広い知識、能力を蓄積し、公務員としてスキルアップするよう、ジョブローテーションとしておおむね二、三年ごとに人事異動を行うということにしてございますが、当然のことながら、職員個々の健康状態や、育児、介護といった御家庭の事情などにも可能な限り配慮しているところでございます。 79 針山委員 組織の活性化のためには人事異動も大事な1つの取組だと思います。緊急事態でもありますので、引継ぎ漏れのないようにしっかりと対応をしていただきたいと思います。  何か滝部長も長いとも聞いておりますけれども、日本広しといえど、デジタルトランスフォーメーションから霊獣クタベの答弁ができるのは本当に滝さんだけじゃないかと思っております。また今後とも、富山県の発展のために頑張っていただきたいと思っております。  人事、雇用に絡めてもう一点。  県では、新型コロナウイルス感染症の影響による雇い止めや被解雇者などを対象とした臨時雇用として、4月の補正予算に30名分の9,000万円を計上しております。さらに、9月補正には20名分の3,400万円を提案しております。  これまでの臨時雇用者はどこの部課に配属されているのか、またこれからの臨時雇用者はどこへ配属予定なのかを滝経営管理部長にお尋ねいたします。 80 滝経営管理部長 温かいお言葉、ありがとうございます。  県による臨時雇用でございますが、雇用のセーフティーネットを確保いたしますとともに、職員が新型コロナウイルス感染症対応等に、より専念できる環境をつくり出すという、主に2つのことを目的として実施しているものでございます。  現在雇用しております臨時雇用の方は17名おられまして、厚生部や商工労働部などの新型コロナウイルス感染症の影響により大変業務が増えている所属、あるいは対策本部事務局に職員を派遣している所属元を中心に配属をさせていただいてございます。  また、業務の状況等に応じて、臨時雇用の方は途中で所属を異動していただくという場合もございまして、例えば6月までは商工労働部のほうで休業要請に係る協力金業務に従事をしていただいた方が、7月以降は厚生部でコロナウイルス感染症対策の業務に従事しているというような事例もございます。  県といたしましては、引き続き感染症の影響により業務の増大が見込まれます所属等に臨時雇用の方を併せて配属させていただいて、職員とともにコロナウイルス感染症対応等に専念していただく環境をつくり出すとともに、関係機関と連携してセーフティーネットの確保という観点からも、県内の雇用の維持、安定、確保に努めてまいりたいと考えております。 81 針山委員 せっかくの臨時雇用で採用される方でございます。適材適所、また職員の皆さんの負担が増えないように配置していただければと思います。  緊急事態において雇用を確保するということは大変大事なことでございます。本県は、全国初となるトライアル雇用を経た上で正規雇用を助成する再就職支援事業として、9月補正で3,100万円提案されております。  国が実施するトライアル雇用助成金では、独り親家庭などに助成金を増額しております。本県はコロナを理由に離職を余儀なくされた求職者を均一対象者としておりますが、支援内容を独り親家庭の父母などへ拡充するべきと考えますが、布野商工労働部長に所見をお伺いいたします。 82 布野商工労働部長 国のトライアル雇用助成金は、離転職を繰り返しております方やフリーター、ニートの方など、職業経験や技能、知識の不足等から安定的な就職が困難で就業を希望する方を、ハローワーク等の紹介により、一定期間試行的に雇用(トライアル雇用)する事業主に対して月額4万円を助成するものであります。  委員お話のとおり、このうち独り親家庭の父母等につきましては、就業に当たり労働条件での制約を受けるなど、独り親家庭が置かれている特別の事情に鑑み、助成額を増額し、就業を支援する措置が講じられ、月額5万円の助成とされております。  今般9月補正予算案で提案しておりますコロナ離職者再就職支援事業は、新型コロナの影響によります離職者の速やかな再就職を支援するため、ミスマッチの防止と正規雇用後の定着促進を図るため、トライアル雇用を経た上で正規雇用する県内企業に対して、トライアル雇用助成と正規雇用助成を組み合わせた全国初のハイブリッド型の手厚い支援制度としております。また、この事業におけますトライアル雇用の月額助成額は、国で増額措置されております独り親家庭の父母等の場合と同額の5万円としております。  新型コロナの影響を受けております県内の雇用情勢を踏まえまして、まずはこの新たな取組を積極的に活用いただくよう周知を図り、その成果などを検証の上、引き続き富山労働局、関係団体とも連携して、県内の雇用の維持、安定、確保に取り組んでまいりたいと考えております。 83 針山委員 全国初のトライアル雇用助成と正規雇用助成を組み合わせたハイブリッド型の再就職支援ということですが、ハイブリッドがここで使われる意味がよく分からない部分もありまして、トライアルから正規雇用というのは一連の流れであって、別にハイブリッドじゃなくても、例えばミックス型であったりステップアップ型というような言い方をしてもいいんじゃないかと思いますが、ここはこれでやめておきます。  あと、独り親家庭の世帯収入が減少して、大学進学を諦めて就職を希望される子供さんも増えているという声を聞いております。  県内の雇用情勢においては、有効求人倍率が9か月連続して低下しており、地域によっては1倍を下回っているところもあるそうでございます。加えて、就職活動のスケジュールが例年より約1か月程度遅れておりまして、就職を希望する高校生には大変厳しい環境となっています。  現在、高校生の就職を支援するために県立高校に2名、私立高校に2名が配置されているキャリア教育アドバイザーの活動状況を伍嶋教育長、蔵堀政策監にお尋ねいたします。 84 伍嶋教育長 県立高校では、キャリア教育アドバイザーを現在、県東部と西部地域に各1名配置して、各学校の進路指導主事などと連携をいたしまして、生徒の就職支援や早期の離職防止に向けた取組を行っております。  具体的に申し上げますと、各学校からの要請を受けまして、本年4月以降、延べ600社余りの企業に対して訪問や電話、メール等によって連携を図りまして、生徒の希望に即した企業の求人開拓を行っています。  また、ハローワーク等の関係機関とも連携をいたしまして、生徒への求人情報の提供、あるいは生徒面談を実施し企業とのマッチングを図っていますほか、県内企業訪問や進路講話を計画している学校に対しては、学校のニーズを踏まえて、受入れ企業や講師の選定の手助けをするなど、連絡調整の役割を果たしているところであります。 85 蔵堀政策監 県内私立高校では、それぞれの学校の特色を生かしました授業やインターンシップ、進路実現に向けた取組を実践されておられます。就職希望者を対象とした進路講話や先輩と語る会など、早い段階からの職業観、勤労観の醸成にも取り組んでおります。  県では、こうした私立高校の取組を推進いたしますために、キャリア教育アドバイザー2名を希望する高校に派遣いたしまして、担当教員と連携しながら、生徒や保護者との面談や面接指導を行っております。
     また、今年は4月からこれまでに延べ582社の企業等を訪問いたしまして、情報収集を通じた求人開拓や、求人及び卒業生の状況把握などについて、学校と密接な連絡を行っているところでもございます。  先ほどの582件ですけれども、前年同月と比較しますと100件余り多くなっております。これは最近のコロナによる就職状況が厳しいことも見込まれておりますので、企業訪問を増加させているところでございます。 86 針山委員 今このコロナ禍において、ますますキャリア教育アドバイザーの重要性というか役割が大きくなっていくと思っておりますが、今、わざわざ2人から答弁をいただいたということは、県立高校からの要請、また私立高校からの要請ということがあってのことではないかと思っております。  9月補正では、高校生の就職支援緊急事業として300万円が提案されております。キャリア教育アドバイザーの配置拡充が中身になっておりますが、県立高校のアドバイザーを2名から4名へ増員、私立高校は2名のままで活動期間を拡充する計画であると聞いております。  富山県は、県立高校では手が届きにくいところの教育を私学が支えているという面もありまして、私立高校も県立高校と同等以上に就職活動状況は厳しいのではないかと考えております。  また、採用形態が多様化して、通年採用、都度採用も増加しております。より細やかなサポートが必要となっている今、せっかくのキャリア教育アドバイザー事業を、高校からの要請や希望する高校からの配置など、そういうことではなくて、高校生の就職支援のみを目的として、所管を分けずに実施したほうが合理的かつ効率的ではないかと考えますが、伍嶋教育長の所見をお伺いいたします。 87 伍嶋教育長 今ほど、キャリア教育アドバイザー事業について、所管課を分けずに実施してはという御提案がありましたけれども、これまでもそれぞれのアドバイザーについては、就職支援担当者連絡会議を開催いたしまして、必要な情報交換はしっかりとやっているところであります。  また、今ほどの提案のアドバイザーの一本化、所管の一本化ということでありますけれども、このアドバイザーは、県立・私立高校を問わず、高校生の就職支援を目的としているものの、例えば企業との関係で言いますと、各アドバイザーは、県立・私立の各高校の担当として、個々の企業との独自のつながりを持っておりまして、一定の秘匿性が求められるという状況もあります。  また、内容で見ますと、例えば私立高校は生徒の約9割が普通科です。これに対して、県立は約6割が普通科。また、就職割合を見ましても、私立のほうは約3割、県立は約2割ということで、県立高校とは就職指導面での留意点がやはり若干異なるということもアドバイザーから聞いております。  また、私立高校では、建学の精神に基づいて学校独自の特色あるキャリア教育、未来プロジェクトやキャリアガイダンスなどそれぞれ独自の教育をされておりまして、その取組と連動した形での就職支援を行うことが望ましいと聞いております。  また同様に、県立高校においても、インターンシップなど独自の取組をしていますので、そことの連動も求められるということでありました。  また、私立学校等に一本化について聞いてみましたところ、現行どおりの支援を要望したいということも聞いておりますので、現段階においては、私立と県立を分けて、現在の形で取り組むことが適しているのではないかと思っております。  そうはいいながらも、今後とも、県立、私立のキャリア教育アドバイザーの相互の連携等、必要な情報については共有しながら、県内全ての生徒が確実に進路が実現できるように取り組んでまいりたいと考えております。 88 針山委員 キャリア教育アドバイザーの方がこれでいいと言われれば、これ以上なかなか言えないわけでございますけれども、情報交換は当然として、私立のアドバイザーと県立のアドバイザーが同じ企業へ行ってその枠を取り合うようなことも発生しているんじゃないかと思って懸念もしております。できれば、私立高校の学生と県立高校の学生の就職支援を組み合わせたハイブリッド型の支援を強く望みます。  就職を希望する以外に、進学を希望する高校生もいるわけであります。先日、東京一極集中の抑制と若者の地方回帰を目的に、地方の国立大学の定員を2022年以降に増員することなど、年内に大学改革の方向性をまとめる方針が政府より示されました。  令和2年5月1日現在、富山大学には7,942名、大学院には1,104名の学生が学んでいます。お隣の金沢大学は7,802名、大学院は2,305名であります。石川県には、ほかにも公立大学が4校、私立大学が7校と多くの学生が石川県で学んでいます。  本県は、県内の若者の地元定着の促進を図る意味でも、大幅に富山大学の定員確保を求めていく必要があると考えます。キャパシティーの問題もあるかもしれませんが、県内には統廃合をされたり、統廃合の検討が進んでいる学校が多くあり、そういった跡地利用としての利活用も期待できると考えます。どのくらいの増員を想定して求めていこうと考えているのか、蔵堀政策監に所見を伺います。 89 蔵堀政策監 国では、まち・ひと・しごと創生基本方針2020におきまして、魅力的な地方大学の実現、地域の雇用創出・拡充によって、若者の地方への定着を推進するために、地方国立大学の定員増も含めた大学改革に取り組むとされております。  県では、これまで富山大学をはじめとして、県内の高等教育機関と連携をいたしまして、1つには県内企業との共同研究や専門人材を育成いたしますサマースクールの実施、それから2つ目にはCOC+事業等によります県内企業へのインターンシップ参加者の増加などによりまして、若者の県内定着に向けて取り組んでまいりました。  富山大学におかれましても、例えば新しい学部として都市デザイン学部を平成30年4月に設置されるなど、地方創生が可能な人材の育成、地域への定着を目指されているところでもございます。  現在、国の検討会において具体的な検討が進められておりますけれども、県といたしましても、富山大学に対しまして、地域産業の振興に貢献できるような高度な人材を地域に供給するという観点からの定員増について、検討をお願いしたいと考えております。  また、県立大学でございますけれども、こちらのほうはDXを担う人材育成や研究強化を図りますために、知能ロボット工学科及び情報システム工学科の定員を拡充する方向で準備を進めることといたしております。  今後とも、富山大学をはじめ県内高等教育機関と連携して、地元大学の魅力向上等に取り組んでまいります。 90 針山委員 県内の若者の地元定着、そして地域の活性化に大きく貢献していただけるものと思います。しっかりと学生の確保を求めていっていただきたいと思います。  もともと県内出身の大学生の意識調査によりますと、「学びたい学部、学科があれば、県内大学に進学をした」と多くの県外進学者が回答しております。学生の増員を求めるとともに、富山大学には特色ある学部、学科の設置も求めていただきたいと考えております。  例えば、元号が令和となってから、万葉集をはじめとした古代の日本文学への関心が高まっております。特に万葉集は、ほかの歌集に比べて素朴で純粋、素直に表現されている歌が特徴で、昔からファンが多い歌集でもございます。富山大学には、万葉集ゆかりの地とも言える高岡市二上にキャンパスがあり、近くにある高岡市伏木の万葉歴史館には、万葉集をはじめとした古代史の文献がそろっております。  これまで単発的に授業や講座が設けられていたということも聞いておりますが、万葉集をはじめとした古代史、日本文学、国文学を学ぶことができる学部、学科が候補かと思われますが、石井知事の所見をお伺いいたします。 91 石井知事 富山大学は、日本海側有数の9学部の総合大学でありまして、全国唯一の和漢医薬学総合研究所、くすりのシリコンバレーTOYAMAに参画している医学部、薬学部、また自然災害のリスク管理や都市と交通の創造、デザイン人材の育成に取り組む都市デザイン学部など、地域に結びついた特色のある学部がございます。また、高岡市に立地する芸術文化学部は、鋳物や漆器などの伝統産業、国宝瑞龍寺、また今、万葉集ゆかりの地というお話もありましたけれども、そういった文化資源を生かした実践教育によって、地域に貢献できる人材を育成しております。  県としましては、富山大学がさらに日本海側を代表する大学として発展、飛躍されるように、学部全体の定員増は、どうも国の方針もあってなかなか難しいように伺っておるんですけれども、今年度からの数理・データサイエンス教育の全学必修化、これは理系、文系を問わずですね。これに加えて、特に関係の深い経済学部、理学部、工学部ではデータサイエンスでの定員増を図っていただくなど、Society5.0を支える人材の育成を強化していただきたいと思っておりますし、またニーズのあります重要分野の都市・交通デザイン学科の定員増についても要請しているところであります。また、工学系については、地元企業のニーズを踏まえた理系修士の定員を大幅に拡大すること、また薬学系については、薬剤師の資格を持つ人材の積極的な育成を要請しております。  委員から大変令和の時代にふさわしいお話がありましたけども、どうも今の段階では、地元産業界などから国文学の定員を増やしてほしいというような話は大学当局にも来ていないようですけれども、県としては、今後とも地域のニーズの高い分野の定員増や研究教育環境の充実、また卒業生の方々の県内定着促進、なかなか富山大学を卒業されても県内に定着する人が必ずしも増えていない。随分努力はしていただいているのですが、そういう問題もございます。  こうしたことについて、富山大学との連携推進会議等において要請することはもちろんですけれども、私からも齋藤学長や関係方面に要請しますとともに、また必要な場合、県が応援団をする必要があれば、文部科学省など関係方面にも働きかけてまいりたいと思っております。  今ほどの万葉集等の問題提起については、またいずれ齋藤学長にもお話ししてみたいと思っております。 92 針山委員 データサイエンティストとか都市デザインとか薬剤師とか、ちょっと私の求めているところとは違う分野なのかなと思います。  万葉集の魅力がいまいち伝わっていないところが非常に残念で、せっかくでございますので、ここで一首御紹介をしたいと思いますが、少し時間の関係もありまして、先のほうに進ませていただきたいと思います。  経済情勢についてお聞きいたします。  日経平均株価がコロナ前の水準に回復してきました。県内の東京証券市場1部上場企業の株価の推移を見ますと、日経平均株価の上昇率を上回っている企業が7社、下回っている企業のほうが多くて11社であります。  県内は中小企業が99.7%、99.8%と言われておりまして、株価など関係ないという方もおられるかもしれませんが、株価は景気動向を示す先行指標とも言われておりまして、県内経済を牽引する上場企業の株価は無関係ではないと思っております。  県内経済の先行きは楽観できないと考えておりますが、県内事業者に対する支援について、これまでの取組と今後の対応を、中小企業の気持ちも分かる西町の布団屋のあんちゃん、石井知事にお伺いいたします。 93 石井知事 本県経済につきましては、個人消費にこのところ持ち直しの動きが見られますけれども、生産は4月以降減少し、有効求人倍率が9か月連続で低下しますなど、厳しい状況が続いております。  県としましては、これまで補正予算の編成等を通じて、まず県の要請に基づいて全面的に休業等に御協力いただいた4,858の事業者に対して、市町村と連携して協力金を交付いたしますとともに、食事提供施設の感染防止対策に取り組む1,121の事業者に対して助成を行いましたほか、コロナ対策の2つの県の制度融資を創設しまして、これは実質3年間無利子・無担保の新型コロナウイルス感染症対応資金と、経済変動対策緊急融資の中の新型コロナウイルス感染症対策枠ですけれども、この2つを合わせまして約9,200件の申込みをいただいております。  さらに、事業持続化・地域再生支援金につきましては、これを5月時点でつくったときは、協力金に合わせてこうした支援金をつくった県は富山県だけでありまして、また現在でもあと1県あるだけでございますけれども、これについては県議会の御理解をいただき、また事業者のニーズも高いので、8月末に予算補正15億円を専決処分させていただいて、申請期限を8月末から9月末に一月延長いたしまして、約2万2,000事業者の申請に対して支援金を交付する。また、反転攻勢に取り組む1,053事業者に対して、地域企業再起支援事業費補助金を交付しております。  これらに加えて、雇用面においても、県独自に派遣いたしました社会保険労務士への雇用調整助成金等の相談が793件、これは労働局のほうに派遣したわけですけれども、多くの事業者に活用されております。  また、雇用継続が難しい事業主と人手不足等の事業主との間の人材マッチングにつきましては、9月11日現在で、5件で26名が成立しますなど、迅速かつ的確に対応できたと言っていいのかなと思っております。  引き続き、新型コロナの影響に対応しますために、資金繰り支援の融資枠の倍増を図る。また、コロナ離職者の再就職支援制度の創設、また国のGo To トラベル事業と連携した冬季の誘客を含む観光需要の回復、また国のGo To 商店街事業を踏まえた商店街等が実施するにぎわい回復の取組への支援、また県産食材の需要拡大に努めますほか、総合デザインセンターにデジタルコンテンツ制作に必要な設備の導入、デジタルツールの活用やオンライン商談会等に関するセミナーやオンライン相談の実施などにも取り組むことにいたしております。  今後も、本県の経済情勢をしっかり見守って、できるだけスピード感を持ってしっかりと対策を講じてまいります。 94 針山委員 副委員長、資料の配付を許可ください。 95 藤井副委員長 はい、許可いたします。 96 針山委員 中小企業の円滑な資金繰りに大きな役割を果たしているのが信用保証協会であります。創設された新型コロナウイルス感染症対応資金は、要件を満たせば無利息で信用保証料の負担なく3年間利用できることになり、信用保証債務残高がお手元の資料では6月までとなっておりますけれども、令和2年7月末で2,204億円と急増しております。9月補正でも融資枠はさらに拡大提案されておりまして、一昨日の川上議員の一般質問では、今後の融資枠増額にも言及されておられました。保証債務残高はさらに積み増しされると予想されます。  一方で、不透明な経済動向の中でリスクもあるわけでございます。代位弁済等の債務不履行となった債権の一部を信用保証協会の資本金に当たる基本財産、また収支差額変動準備金で穴埋めしなくてはなりません。  令和元年度決算における基本財産は176億5,300万円、収支差額変動準備金は65億4,700万円、合計242億円で耐え得るのか、今後の富山県信用保証協会の運営に対する懸念などをどのように考えているのか、布野商工労働部長に所見をお伺いいたします。 97 布野商工労働部長 県の信用保証協会は、金融機関が信用力の弱い中小企業に対して、円滑に資金供給する上で重要な役割を果たしていることから、県ではこれまでも保証基盤となる協会の基本財産の造成等の財政支援に努めてきております。  委員御指摘のとおり、協会の7月末時点の保証債務残高は、新型コロナの影響による厳しい経済状況を反映いたしまして、前年同期と比べて約895億円、68%増の約2,204億円となっております。  これは、実質3年間無利子・無担保の県の制度融資、新型コロナウイルス感染症対応資金が創設されました5月以降、保証申込みが急増し、特に6月、7月の保証承諾額が2か月連続して過去最多を更新したことなどによるもので、協会では今後も資金需要は高い水準で推移するものと見ております。  一方で、今年度の代位弁済は7月末までに109件、7億1,200万円でありまして、前年同期と比べて件数は21件、16%の減少、金額は約4億4,200万円、38%減少しており、現時点で協会の運営に対する新型コロナの直接の影響はあまり見られておりません。  代位弁済につきましては、日本政策金融公庫からの保険金等で一部が補填され、委員御指摘のとおり、協会におきましても基本財産、収支差額変動準備金を約242億円有していることから、当面の経営に不安はないものと考えております。  しかしながら、今後、影響の長期化等によりまして代位弁済の増加のおそれもあります。このため国に対しまして、全国知事会を通じて、信用保証協会に対する損失補償の財政措置等を要望しております。  今後とも、県内の経済情勢、県信用保証協会の財務状況を考慮しながら必要な財政支援を行いまして、県内中小企業への円滑な資金供給に努めてまいります。 98 針山委員 保証債務残高と併せて、保証承諾件数も大幅に増加しております。  資料の上のほうを見ていただきますと、令和2年度の6月では2,829件、前年比でこれまでに1,236%、もう12倍の承諾があるわけでございます。職員の方は大変なのだろうと思っております。  民間の金融機関の中には、AIやペーパーレス化を積極的に進めているところもありまして、融資の申込みから審査、契約まで、非接触、非対面で完結する融資商品も発売されております。  TIS株式会社が先月、金融機関と信用保証協会との間でやり取りする決算書類や保証申込書類を電子化して、審査業務の効率化、非対面化を実現する金融機関間データ連携サービスを開始しております。  富山県信用保証協会においても、デジタルトランスフォーメーション時代を見据え、融資相談から申込み、審査、契約、資金管理までを簡素化、迅速化、そして低コスト化を検討できないか、布野商工労働部長に所見をお伺いいたします。 99 布野商工労働部長 県信用保証協会では、業務の効率化と迅速化のため、全国の信用保証協会に先駆けて無線LANを整備いたしますとともに、保証業務の電子化の一環として、全国の信用保証協会が参加しております共同システムを活用いたしまして、今年7月から保証書のオンラインでの発行を開始するなど、業務のICT化を着実に進めております。  今般、新型コロナの影響拡大を受けまして、5月から6月には保証申込みが急増し、審査に一時的におおむね3から4週間程度を要しておりました。このため、人員の配置転換によります相談・保証審査体制の強化を臨機応変に行うほか、一方で電子化の取組を進めまして、保証書の迅速な発行を可能にするなどの対応を行いました結果、現在は通常どおりの1週間程度に保証審査期間を短縮されたと聞いております。  こうした中、委員からお話がありましたけれども、金融機関等の申込み関係書類のオンラインでの授受や事業者との委託契約の電子的締結など、保証業務全般の電子化の推進につきましては、県信用保証協会としても重要なことと認識されております。  このため県信用保証協会では、全国信用保証協会連合会や金融機関等との連携を強化しながら、申込み関係書類の簡素化や決算書類等のオンラインでの取得によるペーパーレス化など、DXを見据えた業務の効率化、迅速化を着実に進めることとされております。  なお、AIの利活用につきましては、有効性の検証あるいは既存システムとの接続性の確保など課題もありまして、慎重な検討が必要と聞いております。 100 針山委員 ありがとうございました。  県西部についての質問に入りたいと思います。  先日、高岡地域地場産業センターの御旅屋セリオ移転に伴うイベント概要が発表されました。愛称ZIBA(ジーバ)として、10月3日オープンいたします。9月上旬に開催された高岡市の中心市街地活性化会議でもZIBAについて話し合われております。  移転する機能は、高岡銅器、漆器、井波彫刻、越中和紙、福岡菅笠など、県内の伝統工芸品の販売施設機能、体験施設機能、情報発信機能、そしてECサイトを活用した販路開拓やSNSでの企業PRを支援するためのスタジオ機能が予定されております。  これまで高岡テクノドーム別館に新設するものづくり施設については、御旅屋セリオ内の地場産業センターと機能がかぶらない、また相乗効果が見込める施設として整備すると聞いておりますが、ZIBAの概要が見えてきた中で、今後どのようにテクノドームの整備を進めていこうと考えておられるのか、石井知事にお伺いいたします。 101 石井知事 今ほどお話がありましたように、高岡地域地場産業センターは10月3日に御旅屋セリオに移転されまして、そして伝統産業はもとより、また新たなにぎわいづくりへの寄与など、高岡市を含む県西部地域の活性化に大きく寄与するものと期待しております。  高岡テクノドーム別館につきましては、現在、基本設計に向けた準備を進めておりますけれども、産業展示を効果的に実施できるように、大型モニターや5G、VR等の最新技術を導入した多機能型展示場に加えまして、親子や観光客が伝統産業の展示、制作体験を楽しめるものづくりギャラリーやワークスペースを整備しまして、多くの誘客が期待できる県西部地域の拠点施設にしたいと思っているわけでございます。  具体的には、高岡地域をはじめとする県内各地の様々な伝統工芸等のものづくり産業につきまして、VRや5G等の最新技術を用いて紹介しますとともに、手で触れ、また体験することによって、伝統工芸等の魅力や奥深さを感じていただける施設にしたいと思っております。  たしか地場産業センターでも、例えば高岡銅器の体験などもなされるようでありますけれども、例えば同じ高岡銅器のジャンルでも、固有名詞を挙げるのがいいのかどうか分かりませんが、一般論として聞いていただくと、例えば能作さんやシマタニ昇龍工房さん、モメンタムファクトリー・Oriiさん、それ以外にも大変立派な会社、企業があるわけですけれども、それぞれのすばらしさや魅力があり、うまくそれぞれの個性やスキルを生かした役割分担をすれば、高岡をはじめ県西部の伝統工芸の奥深さを、いろいろな手段を使って紹介することが可能ではないか、そういう施設にしていきたいと。  私、フランスのパリ、あるいは中国の北京などで、今名前を挙げたような方々の実演等もそばで拝見しましたけれども、それぞれに非常に異なった魅力をお持ちで、こうしたものを地場産業センターで、どういった企業なり伝統工芸の方、どなたがおやりになるかなど、その辺はもう少し各論を見ないと分かりませんが、役割分担しながらそれぞれのよさをアピールする、また時には連携する、そういうようなことで十分うまく運営できるのではなかろうかと思っております。  今後、整備内容や事業展開につきまして、引き続き高岡市や関係団体等の御意見も十分伺って、連携して準備を進め、できるだけ相乗効果が出る、お互いにウィン・ウィンとなるように取り組んでまいります。 102 針山委員 当初は、何かかぶらない機能をということで説明を受けていたと感じておりますが、大きな投資でございます、しっかりした施設をつくっていこうと思っております。  先日、JR西日本が2030年までに氷見線、城端線及び高山線の県内9駅を含む北陸エリアで、37駅を無人化にすると発表しました。1月には氷見線・城端線のLRT化構想が発表されて、本県は沿線市から職員を集め、検討班を設置しました。私は今のままでは、無人化の流れは致し方ないのかなと考えております。  そもそもJRは民間会社であり、上場企業であるという使命を背負っております。時にはドラスティックな経営判断が必要なわけでございます。そうはいっても公共性の高い企業でもあり、急速に進む人口減少、少子高齢化時代に向けて、地域がどうあるべきか、今後のまちづくりの中でどんな形の地域公共交通が求められているのかということがJRの本題ではないかと。このままでは維持していけないという観点から、LRT化という1つの方法を提案してきたんだろうと思っております。  一方、本県は、JRからLRT化という提案が急に出てきて、財布を見ながら、できるのかな、できないのかなと、もたもたしているような印象を受けております。JRと本県との議論がかみ合っていないのではないかと懸念しております。  関係機関とこれまでどのような話合いが行われ、どのように協議を進めていくのか、中谷観光・交通振興局長にお尋ねいたします。 103 中谷観光・交通振興局長 城端線・氷見線のLRT化の検討につきましては、JR西日本や沿線の高岡市、氷見市、砺波市、南砺市とともに、本年6月に検討会を立ち上げまして、1つには、各市において利用促進や地域活性化等の取組を検討する、それからそのために必要となる初回調査といたしまして、LRT化後の需要予測調査を実施するということについて合意したところであります。  今、委員からお話がありましたとおり、LRT化の検討に当たりましては、利用者の確保による安定的な経営の持続可能性が重要なポイントになりますことから、改めて、県におきまして各市を訪問いたしまして、実務的な検討の促進についてお話をしたところでございます。  現在、各市におきまして、LRT化による新駅の設置、駅周辺の整備開発、観光振興等の連携等に関する検討を進めていただいているというところでございます。  また、県では、JR西日本や沿線4市とともに需要予測調査の実施方法、またそれぞれが保有するデータの活用等につきまして実務的な協議を行ってきたところでありまして、現在、調査委託に関する手続を進めているところでございます。  今後、これらの需要予測調査や各市における検討の進捗状況を踏まえながら、地域住民の日常生活やビジネス、観光など、社会・経済活動を支える持続的な公共交通の確保に向けまして、各市におけるまちづくり、それから地域公共交通全体の在り方、さらにはまた整備や維持運営の費用に係る課題も含めまして、様々な観点から実現方法、その可能性について検討を進めてまいります。 104 針山委員 駅員の無人化だけでなくて、駅を利用する人が無人になる前に、しっかりとかみ合った議論をスピード感を持って進めていただきたいと切に願うものであります。  駅舎の無人化により地域住民が心配しているのが利便性の低下、また防犯面への不安であります。これまで県警では、無人駅とその周辺の安心・安全にどのように取り組んできたのか、大原警察本部長にお尋ねいたします。 105 大原警察本部長 鉄道の無人駅及び周辺においては、これまでも駐輪中の自転車の盗難や電車の不正乗車が認知されていることから、鉄道事業者や地元自治体等に対し、外灯や防犯カメラの設置など、有人駅以上にしっかりとした安全対策を講じるよう働きかけるとともに、事案発生時における迅速な対応、重点的なパトロール活動に努めているところであります。  中でも、防犯カメラの設置は大変重要であり、とりわけ現在有人の駅を新たに無人化する際には必要不可欠なものであると承知しております。  今後とも、鉄道事業者や地元自治体におかれては、格段の御配慮をお願いしたいと考えておりますし、県警察としても必要な協力を進めてまいる所存であります。 106 針山委員 先日、電車で県庁に向かう途中、女子高校生の会話の中で、大麻で逮捕されたイケメン俳優が話題となっておりました。  最近、相次いで影響力の大きい有名人が薬物で検挙されております。今朝の新聞でも県内の20代から60代、男女9名を薬物使用、所持で逮捕されたことが大きく取り上げられておりました。  本県の薬物事件の発生状況はどうか、悪影響が心配される若年層の薬物乱用の防止にどのように取り組んでいるのか、大原警察本部長にお尋ねします。 107 大原警察本部長 県内における薬物事犯の検挙人員は、近年、20ないし30人台で推移しておりましたが、昨年は53人と、一昨年の31人から大幅に増加し、増加分の6割以上が大麻事犯でありました。また、大麻で検挙された者の約8割が20歳代以下の若年層で占めており、若年層への浸透が大いに懸念されるところであります。  このため県警察では、取締りの強化とともに、若年層に対する広報啓発に注力しているところであります。具体的には、中学、高校などへ警察職員を派遣しての薬物乱用防止教室を開催するとともに、富山大学の新田淳美教授を薬物乱用防止アドバイザーに、タレントのぶらっくすわんさんを薬物乱用防止PRアンバサダーに委嘱するなどの取組を行っております。  県警察では、引き続き強力な取締りを推進するとともに、学校やアドバイザー等と緊密な連携を図りながら、効果的な広報啓発活動を実施し、薬物乱用防止に努めてまいります。 108 針山委員 若者の健全な育成を願って、正しい知識と啓発を粘り強くお願いしたいと思います。
     JR氷見線は、世界で最も美しい湾クラブの主会場ともなりました3,000メートル級の立山連峰を海越しに臨む雨晴海岸のそばを通過いたします。  今議会では、盛んに大都市からの移住・定住を促進するために、二地域居住やサテライトオフィスの誘致が議論されております。都会の人たちが求めるのは、自然が豊かなところやロケーションのすばらしいところではないでしょうか。  雨晴海岸のある高岡市太田地区は、ほとんどが市街化調整区域に指定されています。そういった有力候補地はいろいろ制限があるところが多いのではないでしょうか。  市街化調整区域の開発については、平成28年の国の開発許可制度運用指針改正により、既存集落の維持や観光振興による地域再生に活用する場合、開発許可の運用を弾力化できるようになっております。  県では指針を開発許可の基準に反映しているのか、取扱いを江幡土木部長にお尋ねいたします。 109 江幡土木部長 都市計画法の規定に基づき、市街化調整区域においては開発が制限されておりまして、既存の建築物の用途変更の場合も原則として許可を要するものとされております。  委員から御紹介がありましたけれども、市街化調整区域におきましても、近年、空き家の発生や集落のコミュニティーの維持が困難となるなどの課題が生じておりまして、それらの課題に対応して平成28年に改正された国の指針では、既存の建築物を観光振興のために必要な宿泊、飲食等の提供の用に供する施設や、既存集落の維持のために必要な賃貸住宅等の用途に活用する場合は、弾力的に許可できることとされたところであります。  本県の開発許可の基準では、現時点ではそのような運用の弾力化に対応した要件は設けておりませんけれども、市街化調整区域の建築物を観光振興のための施設や移住者のための賃貸住宅等に用途変更する場合は、その建築物が立地する地域の住民や自治体の意見などを踏まえ、県の開発審査会で十分審議した上で許可することは可能と考えております。  御提案の用途変更の許可の弾力的な運用につきましては、他県における取扱いなども踏まえまして、地域の課題やニーズを把握する関係市とも協力しながら、さらに検討してまいります。 110 針山委員 話を聞いてみて、案件次第ということなのかもしれませんけども、市街化調整区域の開発は、もうはなから駄目なんだと考えている人も多いのではないかと。そういった方に何らかの告知であったり、サインを出していただけると、またよりよい開発が進むんじゃないかと思っております。  今年の1月に徳島へ行ってきました。サテライトオフィス、二地域居住、移住促進の取組と併せてデュアルスクールという事業を視察してきました。保護者の都合に合わせて都会から数週間程度移住して、親はリモートワーク、子供は地方の学校へ通うと、本当にお互いの教育のよいところを取り入れられるという、双方の学校で教育を受けられるというものです。まだ多くの実績はないものの、都会では味わえない自然の癒やしを受けて趣味を満喫し、伸び伸び子育てを実現できるすばらしい構想であります。  個々の習熟度に合わせた教育、コロナ禍の休校措置など、緊急時だけではなく、ICT教育やGIGAスクール構想をデュアルスクールにも発展的な活用ができないか、伍嶋教育長に所見をお伺いいたします。 111 伍嶋教育長 今ほど御紹介のありましたデュアルスクールは、地方と都市の2つの学校の行き来を容易にして、双方で教育を受けることができる新しいスタイルの学校であると認識をしております。徳島県内では、平成27年度から、区域外の就学制度を活用してモデル的に試行が行われていると聞いております。  このデュアルスクールの導入によりまして、例えば都市圏の児童生徒が都会では味わえない自然、文化に触れ、人との交流を図ることができるだけではなくて、双方の児童生徒にとって、見方、考え方の相違に触れることにより視野が広がること、またそれぞれの町、県のよさの再発見といった教育的な効果も見られると聞いております。  本県では、この制度とは異なりますけれども、南砺市教育委員会が令和3年度から、他地域の小中学生を1年間にわたって山村留学生として受け入れる南砺利賀みらい留学を実施する予定でもあると聞いております。  今後、委員からも御紹介ありましたけれども、GIGAスクール構想の実現によりまして、ICT教育の効果的な利用が進めば、遠隔地の学校間での協働学習や双方向の情報交換等が活発となることが期待されると思います。  他方、このデュアルスクールも多彩な体験活動や、自然や人との交流を通した学びと成長を促すことから、1つの新しいスタイルの学校としての魅力を備えており、現下のコロナ禍の状況を考えますと、各地域の実情に応じて制度の活用も広まっていくのではないかと考えております。 112 針山委員 ありがとうございます。  ちょっと最後駆け足になりましたが、知事、10月の選挙が終わったら、ぜひ富山市内のマンションと自然豊かな伏木と二地域居住を期待いたしまして、質問を終えさせていただきます。  どうもありがとうございました。 113 藤井副委員長 針山委員の質疑は以上で終了いたしました。  ここで、換気のため暫時休憩いたします。  休憩時間は10分間といたします。                     午後2時10分休憩                     午後2時20分開議        吉田勉委員の質疑及び答弁 114 藤井副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  吉田委員。あなたの持ち時間は60分であります。 115 吉田委員 質問に先立ちまして、一言申し上げます。  自民、公明両党連立による菅内閣は、16日の夜、皇居での首相親任式と閣僚認証式を経て発足いたしました。同日招集されました臨時国会では、衆参両院本会議での首相指名選挙で自民党の菅義偉総裁が第99代首相に選出されました。  また、本県出身の野上浩太郎元官房副長官が県選出の参議院議員で初の農林水産大臣に就任されました。心からお祝いを申し上げる次第でございます。  また、菅新首相は新内閣を「仕事をする内閣」と称し、新型コロナウイルスの感染収束と日本経済の立て直しに全力を挙げる方針を示されました。また、縦割り行政の打破や規制改革の断行、デジタル庁創設などにも意欲を表明されております。  公明党といたしましても、全面的に協力していきたいと思います。  以下、質問に入ります。  初めに、コロナ禍における避難所運営の在り方についてお伺いをいたします。  近年、大規模地震や大規模水害など、想定を超える自然災害が頻発化、日常化しております。こうした自然災害に対して避難所を開設する場合には、新型コロナウイルス感染症の影響が広がる現下の状況を踏まえ、感染症への対策に万全を期すことが重要となっております。  発生した災害や被害者の状況等によっては、避難所の収容人数を考慮し、過密状態を防止するため、あらかじめ指定した指定避難所以外の避難所を開設するなど、通常の災害発生時よりも可能な限り多くの避難所の開設を図る必要がございます。  また、避難所における感染症リスクを下げるためのスペースの利用方法など、コロナ禍における避難所運営の在り方について具体的に質問をさせていただきます。  避難所として開設可能な公共施設等の活用につきましては、政府の内閣府の防災担当から検討するよう徹底されていると思いますけれども、ホテルや旅館等の活用について、現状はどうなっているのでありましょうか。  また、ホテルや旅館等にはどのような避難者を受け入れることがよいのか。例えば、高齢者や基礎疾患のある方、あるいは障害者、妊産婦など、優先的に避難させる人を事前に検討し、優先順位の考え方を事前に決めておく必要があります。  また、避難所運営の見える化を目的に、感染防止対策の現状や必要な備品などについて記入してもらうことで、何が不足しているのか、体系的に把握することが大切と思われますが、可能な限り多くの避難所の開設について、県内市町村における取組状況と併せて砂原危機管理監にお伺いをいたします。 116 砂原危機管理監 県では、平成26年に県生活衛生同業組合連合会と災害時支援協定を締結し、組合加盟の約160施設のホテル、旅館を避難所として提供いただける体制を整備しますとともに、今年5月には避難所運営マニュアルの策定指針を改訂し、市町村に対し、ホテル、旅館、公共施設などを臨時避難所として確保する等の検討を要請しました。これに対し、県内全ての市町村において避難所運営マニュアルが改定済み、または近く改定見込みとなっております。  また、黒部市、砺波市では、地元のホテル旅館組合等と協定を締結されたほか、富山市では公共の宿泊施設を避難所として活用するなど、さらなる対応に努めておられます。  避難所として開設するホテル、旅館等での避難者受入れにつきましては、高齢者、基礎疾患を有する方、障害者、妊産婦、それら家族などを優先するなど、あらかじめ優先順位の考え方を決め、リストを作成しておくとの対応が今般国から示されておりまして、県では市町村に対し情報提供を行ったところであります。  また、県の防災WEBでは、避難所の開設や避難者の受入れ状況等の情報が提供可能となっており、見える化を図っております。  県としましては、今後とも市町村や関係団体と連携し、避難者の受入れ体制整備の促進を図ってまいります。 117 吉田委員 各市町村の取組状況、盤石なところとまだそうでないところ、いろいろあると思いますので、県として包括的に、特に弱いところに対してしっかり補佐をしていっていただきたいと、このように願うものであります。  次に、分散避難の定着についてお伺いをいたします。  避難とは難を逃れることであり、必ずしも避難所に行くことではありません。新型コロナウイルスの感染リスクを考えても、安全な場所に逃げることも、住民に改めて周知広報する必要があります。  災害時に避難生活が必要な方に対しては、避難所が過密状態になることを防ぐため、可能な場合は親戚や知人の家等への避難を検討するよう周知するべきだと考えます。  その上で、分散避難によって災害物資の届け先が増えるため、どう対応するのか検討が必要であります。砂原危機管理監に所見をお伺いいたします。 118 砂原危機管理監 安全な場所に住んでいる親戚や知人宅に、可能な場合は避難させてもらう分散避難は、避難所が過密状態になることを防ぐ上で有意義と考えます。  このため県では、テレビやラジオ、新聞、SNS等による県の広報を通じまして、また市町村にも協力を要請し、市町村の広報紙等を通じ、分散避難を呼びかけております。  また、救援物資の配付につきましては、県では災害時受援計画に基づき、県の物資拠点施設から市町村の物資拠点への輸送を行い、その後は市町村において避難所等を通じ、物資を住民に配付することになります。  分散避難をされている住民への物資の配付方法等につきましては、現在、各市町村で検討を行っていると聞いておりますが、県としても災害時には各種広報手段を活用し、避難者に救援物資の情報等が伝わりますよう、市町村をサポートしてまいります。  県といたしましては、今後とも県民に適切な避難行動を呼びかけますとともに、市町村と連携し、救援物資の確実な到達が図られますよう態勢整備に努めてまいります。 119 吉田委員 これからは新たな生活様式になり、それに非常時というものが加わってまいりますので、大変現場は混乱していくだろうと思いますので、そういったところをまた、市町村ばかりにどうこうじゃなくて、県としても可能な限り、総合的にできるようなことをまたぜひ検討していただきたいと思います。  次に、避難所の感染症対策について伺います。  避難所における感染症対策を強化し、避難者に対して手洗いやせきエチケット等の基本的な感染対策を徹底するとともに、備蓄物資の充実が必要であります。  感染症予防に必要となるマスクや消毒液、非接触型体温計、フェースシールド等の備蓄、サーモグラフィーや空気清浄機、大型発電機の設置等の推進を図るべきであります。  また、避難所での感染症の蔓延を防ぐため、段ボールベッドや段ボール間仕切り、パーティション、飛沫感染防止シールド等の備蓄積み増しとともに保管スペースの確保が必要であります。  さらに、避難所における良好な生活環境を確保するためには、感染症を発症した可能性のある避難者と一般の避難者とのゾーン、動線を分け、個室などの専用スペースを確保し、専用のトイレを用意することなどが必要であります。  こうした課題にどう取り組まれるのか、砂原危機管理監に所見を伺います。 120 砂原危機管理監 県では、今年5月に避難所運営マニュアルの策定指針を改定し、市町村に対し避難所における感染症対策の強化を要請しております。  具体的には、まず事前の準備として、避難者が密接しないよう、できる限り多くの避難所を確保すること。発熱者等専用のスペースやトイレを確保しますとともに、一般避難者とゾーン、動線を分けるようにレイアウトを工夫すること。感染症対策に必要な物資資材を準備しておくこと等を記載し、また避難所開設時には、避難者が来場した際に検温や体調チェックを行うこと。それから、パーティションやテントを活用し、避難者間で2メートル程度の距離を確保すること。定期的な換気、手指消毒やマスク着用など、基本的な感染症対策を徹底することなどを明記しております。  これに対し、先ほどもお答えしましたが、県内全ての市町村において、避難所運営マニュアルが改定済み、または近く改定見込みとなっており、またマスク、消毒液等の備蓄や段ボールベッド、パーティションの確保、保管も進められております。  また、県におきましても、6月補正予算でマスクや消毒液、非接触型体温計を追加備蓄しますとともに、段ボールベッド、パーティションにつきましても、関係企業、団体と協定を締結し、災害時の供給体制が整備済みでございます。  県としましては、今後とも市町村と連携協力し、避難所における感染症対策の強化にしっかりと取り組んでまいります。 121 吉田委員 これこそは事前にしっかり計画できることであろうと思いますので、一般の避難者とのゾーン、動線の分け方、こういったようなものを現地が混乱しないように、またお願いをしたいと思います。大体思ってもみないことが起こったことから混乱が始まりますので、ひとつそういったところも含めまして、対応をよろしくお願いしたいと思います。  在り方の最後に、女性の視点を生かした避難所の運営についてお伺いをいたします。  避難所内のスペースの確保、避難所全体のレイアウト、動線等、避難所運営の在り方については、女性の視点を生かした検討がされるべきと考えますが、砂原危機管理監に所見を伺います。 122 砂原危機管理監 御指摘のとおり、避難所の準備、運営に当たりましては、女性ならではの視点を生かすことは大変重要と認識しております。  このため、県の地域防災計画では、「市町村は避難所の運営における女性の参画を推進するとともに、男女のニーズの違い等男女双方の視点等に配慮するものとする。特に、男女別トイレ、女性専用の物干場、更衣室、授乳室の設置や生理用品、女性用下着の女性による配布、避難所における安全性の確保など、女性や子育て家庭のニーズに配慮した避難所の運営に努めるもの。」とするとされており、市町村におかれましても、この計画の趣旨や国の避難所運営ガイドラインを踏まえ、地域防災計画を作成されております。  県としましては、新型コロナ禍にあっても、女性の視点、ニーズを取り入れた避難所が開設されますよう、市町村と共にしっかりと取り組んでまいります。 123 吉田委員 富山県はどういうわけか急所を外れたような状況で、災害が比較的少ないという状況が今まで続いておりますけれども、我が事として捉える人たちが私はまだまだ少ないんじゃないかと思いますので、そういった点、今までの通常の災害の避難のほかに、コロナというものが新しく加わっておりますので、必ず混乱するということも大変予想されるわけでございますので、自治体は3密を防ぐ避難所運営という新たな対応を求められていくと思いますので、その点で通常とは違うという認識の下で、また県としてひとつ対応をしていただきたいと思います。  次に、新型コロナウイルスの第2波に備えた対策について伺います。一般質問でもたくさんあったわけでありますが。  今、世界の新型コロナウイルスの感染者数は、今日の夕刊を見ておりましたら3,000万人を突破したと、そして死者数は94万人だと。ちょうど8月10日頃までは2,000万人だったけれども、1か月間で1,000万人増えたという新聞記事が載っておりました。  米国は667万人、インドは511万人、ブラジルは441万人と、現在もなお世界中の人々の命と暮らしを脅かしているんだと非常に感じるわけであります。  世界経済は大きな打撃を受け、我が国においても国民生活や経済への影響は深刻さを極めていると。  私たちは、感染者の拡大を抑えるために懸命に努力しておりますけれども、ウイルスの治療薬やワクチンの開発、そしてまた実用化までには、なお一定の時間を要することから、克服に向けた闘いは長期に及ぶことが予想されるわけであります。  こうした中で、今後の感染防止と社会経済活動を両立しながら、第2波、第3波に備えた対策の強化が求められるところであります。  初めに、感染症への感染拡大防止を強化するため、オンラインによる医療支援などの強化について伺います。  僻地などの医療提供体制が脆弱な地域に限らず、少子高齢化社会に対応するためにも、血圧や脈拍などの基本的な体調の確認に加えて、オンライン診療の推進、オンラインツールを活用した遠隔健康医療相談等の遠隔医療の推進が求められております。  また、介護分野においても、オンラインを活用した見守りの強化が求められるところでありますけれども、今後どのように取り組むのか、石黒厚生部長に所見を伺います。 124 石黒厚生部長 コロナ禍におけます時限的、特例的な措置といたしまして、電話や情報通信機器を用いた診療等が初診から可能となったところでございます。  県内では、約240の医療機関において登録実施されているところでございます。  オンライン診療や遠隔地健康医療相談等の遠隔医療については、患者さんにとりましては、直接医療機関に通院しなくても在宅等で診療や相談を受けることができ、院内感染リスクの回避や待ち時間の短縮につながること、僻地など医療資源に乏しい場所でも診療等が受けられることなどの利点がございます。  このため、県におきましては、国の緊急包括支援交付金を活用いたしまして、オンライン診療等に必要なタブレット端末やICT環境に必要な設備整備に対する支援を行ってきたところでございます。  また、介護施設等におきましては、感染症対策のため、通常より増えております業務負荷の軽減を図るとともに、少しでも接触機会を減らすため、9月補正予算案におきまして、見守りセンサーなど介護ロボット導入のための支援制度を大幅に拡充し、その導入を促進することとしております。  コロナ禍におきまして、オンライン診療は、感染防止の観点から非常に有効な手段と考えておりますが、一方では問診を中心に行われますため、疾患の見落としの危険性があるなど課題もありますことから、県といたしましては、国の動き等も注視しながら、医療機関等に対しまして、適時適切に情報提供するとともに、引き続き各医療機関や介護施設等のオンラインを活用した取組について支援をしてまいります。 125 吉田委員 これからまだまだ改良しなければならないこともたくさんあると思います。ぜひまたいろんな情報収集に努めていただきたいと思います。  次に、PCR検査等の充実について伺います。  秋以降のインフルエンザの流行も見据え、医師が必要と判断した人に対して、速やかにPCR検査や抗原検査を実施することができるよう、検査体制の強化や個人防護具の安定的な供給を図る必要がありますが、どのように取り組むのか、石黒厚生部長に伺います。 126 石黒厚生部長 PCR検査の検査可能件数につきましては、4月は1日当たり70件でございましたが、7月後半からは230件の検査が可能となっており、さらに今後、医療機関や民間検査機関で検査が可能となりますことから、約700件の検査が可能となる予定でございます。  また、かかりつけ医からの紹介でPCR検査を受けることができます地域外来・検査センターを県内4つの医療圏におきまして開設しております。  さらに、身近な医療機関でも検体を採取し、保険適用によりPCR検査を受けることができる体制についても整備をしておるところでございます。  加えまして、抗原簡易キットにつきましても、今後、国において1日20万件程度まで拡充するとされておるところでございます。
     一方、個人防護具につきましては、これまでも国からの割当て分の医療機関への配布や、緊急時に備えた備蓄を行っております。  さらに、インフルエンザの流行を見据え、今後、発熱患者等の診療・検査を行います、診療・検査医療機関(仮称)を整備していくこととしておりまして、その検査体制に応じて、国から個人防護具の配付も予定されているところでございます。  今後とも、検査の必要な方が遅滞なく検査を受けることができますよう、また医療機関が安心して診療できますよう、しっかりと取り組んでまいります。 127 吉田委員 季節性インフルエンザ、これの患者数は例年1,000万人という規模だと思いますけれども、新型コロナと季節性インフルエンザの症状は非常に似ているということで、とりわけ初期症状で判別するのは難しいとも言われておるわけでありますけれども、短時間で結果の出る抗原検査を1日20万件程度実施できる体制整備のようなものも非常に大事なことだと思いますので、県におかれましても、同時流行に備えて検査体制の整備計画をしっかり立てていただきたいと思います。  次に、保健所機能の強化について伺います。  厚生労働省は4日、インフルエンザ流行に備えまして、発熱などの症状がある人の相談、受診の流れを公表いたしました。まずは、かかりつけ医など、身近な医療機関に必ず電話で相談することといたしました。  また、新型コロナウイルスに関する相談窓口、帰国者・接触者相談センターを受診・相談センターに改称し、相談先に迷う人はこの受診センターに電話するよう求めているものでありますが、県厚生センターの通常業務への影響も含め、どのように対応していくのか、石黒厚生部長に所見を伺います。 128 石黒厚生部長 今ほど委員からもお話のありましたとおり、先般、国のほうからインフルエンザの流行に備えまして、発熱等の症状がある患者が地域で適切に相談、診療、検査を受けることができる体制整備に関する方針が示されたところでございます。  具体的には、住民は発熱等が生じた場合には、まずかかりつけ医等の身近な医療機関等に電話で相談し、県が指定した診療・検査医療機関(仮称)等の医療機関を受診すること。住民が相談する医療機関に迷った場合は、その相談先として厚生センター等に受診・相談センター(仮称)を新たに設置し、最寄りの適切な医療機関の案内や、必要に応じて受診調整を行うこととされたところでございます。  厚生センターでは、今般の新型コロナ対応のため、これまで会計年度任用職員を4厚生センター及び2支所で合わせて20名を緊急的に増員し、電話相談業務等に従事していただくなど、相談体制の充実に努めてきております。  また、新型コロナウイルスに関しましては対応の長期化が予想されますことから、9月補正予算案におきまして、厚生センターにおける土日及び夜間の電話相談を外部委託するための経費を計上し、職員の業務負担軽減を図るとともに、通常業務も含めまして、持続可能な相談体制の整備を図ることとしております。  今後、インフルエンザとの同時流行が懸念される冬場に向けまして、県民の皆様に混乱が生じないよう、体制の在り方の検討を進めまして厚生センターの体制整備に取り組んでまいります。 129 吉田委員 病院の経営悪化などいろんなことが問題になっておりますけれども、持続可能な対応をしていくには、これからまだまだいろんな変化が出てくると僕は予想しますし、やはり経済活動との両立で国もいろんな手を打ってくると思いますので、そんな点、またひとつ着実に対応を推進していただきたいと思います。よろしくお願いします。  次に、新しい生活様式に向けた諸施策の具体化について伺います。  新型コロナウイルス感染症の拡大によりまして、密を防ぐ新しい生活様式を築くため、地方移住を含めたビジネスや経済活動が動き出しております。  今後は、新しい生活様式を定着させるための具体的な施策を本県においても推進し、決して後戻りをしない自律的な地域社会を構築していく必要があると考えます。  国も、新たな日常構築の原動力となるデジタル化への集中投資、そして社会実装とその環境整備を進めていくこととしており、特にデジタルガバメントは今後1年間が改革期間であると、いわゆる骨太の方針にも示されました。  また、内閣府が示した地域未来構想20の中では、コロナ禍だからこそできる事業、そしてまたピンチをチャンスに変える施策も紹介されております。  そこで、デジタル化の果実を本県に大胆に取り入れるとともに、オンライン、テレワーク、ワーケーション、働き方改革や移住、それから企業や学校の休日を見直し、分散化を図ることによって、魅力あるまちづくりと質の高い地域社会を築いていくために、具体的な施策の進捗や見通しについて質問をさせていただきます。  初めに、教育分野において、3密を防ぎながら切れ目のない学習環境の提供は大変重要であります。オンライン学習のための端末や機器の整備など、GIGAスクール構想関連事業等との連携、さらには児童生徒や教員が学校、自宅で使うICT環境の整備が急務と考えますが、どのように取り組むのか、伍嶋教育長に伺います。 130 伍嶋教育長 コロナ禍におきまして、児童生徒が3密を避け、家庭等においてオンライン学習環境を整備するため、県内の全市町村では、国のGIGAスクール構想で示された小中学校の児童生徒1人1台端末と高速大容量の通信ネットワークの一体的な整備について、国の補正予算も活用しながら、今年度内に前倒しして整備される予定となっております。  また、県立学校においては、今年度中の各校のネットワーク回線容量の増強や無線LAN環境の拡充、またウェブカメラの配備に取り組んでいますほか、9月補正予算案におきまして、高校生及び教員用の1人1台端末の整備のための経費を計上しておりまして、できるだけ早く配備を行うこととしております。  また、臨時休校等の緊急時には、端末の自宅での使用についても認めるなど、学びの保障にも努めることとしております。  さらに、自宅での学習を支援しますため、全ての市町村また県教育委員会では、通信環境が未整備の家庭を支援する家庭学習用のモバイルルーターの整備を予定しております。  また、私立学校についても、県からの支援といたしまして、生徒用タブレット端末やモバイルルーター等のICT教育設備の整備に対する支援を行うこととしております。  今後とも、ICT環境を有効に活用して、児童生徒の能力を最大限に引き出せるよう取り組んでまいりたいと考えております。 131 吉田委員 コロナの収束の見通しが立たない中で、子供たちの学びの保障というものをしっかりするということで、こういうことになっていくんだと思いますけれども、その中で、ちょっと質問には書きませんでしたけども、大事なのは誰一人取り残さない教育の実現を果たすためにICTの役割というか、SDGsの考え方が僕は大事だと思います。  そういった意味で、午前中の質問にもありましたけれども、ICTに不慣れな教員へのフォローや、セキュリティーの確保などの課題はあると思います。そういう面で、専門員の配置などの人的支援が非常に大事だと思いますので、ひとつまたその点、よろしくお願いしたいと思います。  次に、文化施設など人が集まる空間では、密を可視化するためのオンライン情報や、アプリなどを活用した予約システムの確立、そしてプッシュ型の情報発信などが利用者の安心を担保し、文化芸術活動の継続につながると考えますが、現在の取組状況と今後の見通しについて、竹野生活環境文化部長にお伺いをいたします。 132 竹野生活環境文化部長 コロナ禍における新しい生活様式による文化芸術活動を継続するためには、文化施設において、感染拡大リスクの高い3つの密や接触リスクの回避などの各種感染予防対策を徹底し、県民の皆さんに安心して利用していただくことが重要であると考えております。  このため、県立文化施設におきましては、これまでにも外気取り込み量や換気量の増加のための空調設備の緊急的な改修、接触による感染リスクのあるトイレの手洗い水栓の非接触型自動水栓への改修、また施設入り口でのサーモグラフィー型検温装置の整備など、新型コロナ感染防止対策を順次講じてきております。  また、美術館や博物館などで密集状態が想定される場合には、入場者の人数制限やリアルタイムの混雑状況のツイッターなどによる情報発信を実施しております。  現在、富山県美術館や高志の国文学館などでは、新型コロナの影響もあり密な状態にはありませんが、今後、人気の高い企画展も予定しており、密を避けるため入場者数を管理することを予定しております。  委員御提案のウェブ予約システムにつきましては、入場者数の管理が容易である一方、導入事例を見ますと、個人情報を含む予約手続が負担となり、入場者数が伸びないという課題等もございます。  今後の企画展での入場者数管理の実施結果も見ながら、今後の対応を検討してまいります。 133 吉田委員 文化や芸術の関係は、一応国の補正予算では560億円の文化芸術活動の継続支援事業というものがありますけれども、やっぱり文化芸術というのは大変人の心を潤してくれる非常に大事な分野だと思いますので、またいろいろ考えて、ひとつよろしくお願いいたします。  次に、これまでの地域コミュニティーを中心に、高齢者、子育て家庭などの見守りや支え合いの社会を築いてきましたが、新しい生活様式に対応するため、オンラインツールの活用も重要です。  特に介護や福祉分野では、ロボット技術やICT等の導入を用いたケアモデルの支援、それから個人の健康データの利活用の推進により健康寿命の延伸につなげるべきと考えますが、石黒厚生部長に所見を伺います。 134 石黒厚生部長 新しい生活様式に対応するためには、介護・福祉分野におきましても、3つの密や身体的な接触をできるだけ減らした上で、適切なサービスを提供することが必要でございます。ロボット技術やICTなどオンラインツールを活用することが重要であると考えております。  県では、これまでも在宅医療・介護連携を推進するため、郡市医師会によります情報共有システムの整備を支援してきたほか、事業者支援として、6月補正におきまして国の緊急包括支援交付金を活用し、各施設や事業者におけるタブレット端末やICT環境に必要な設備整備に対する支援を行ってきたところでございます。  さらに、9月補正予算案におきましては、介護ロボットを導入する事業者への支援内容を大幅に拡充し、導入を促進するとともに、市町村が保有する介護・医療レセプト、特定健診結果のデータを県が総合的に分析して、生活習慣病の発生や要介護状態につながるリスク要因を把握し、ターゲットを絞り込んだ保健事業を展開するための事業を盛り込み、健康寿命のさらなる延伸に向けて取り組むこととしております。  今後とも、新しい生活様式の中でも高齢者の方に必要な介護サービスが提供され、住み慣れた地域で安心して暮らせるよう、介護ロボットやICT等の導入、データの利活用について、さらに進めてまいりたいと考えておるところでございます。 135 吉田委員 またひとつよろしくお願いしたいと思います。  次に、ITの浸透が人々の生活をあらゆる面でよりよい方向に変化させるデジタルトランスフォーメーションによって、地域の価値を高めていくことにより、地方移住やサテライトオフィスの誘致などが促進されると考えます。  例えば、医療や住まい、それから交通などにアクセスしやすいサービスを地域限定で整えたり、空き家を利活用したワーキングスペースの整備や住宅の整備、それから自転車や自動車などを多くの人と共有して利用する仕組みづくりの推進などが、誰もが住み続けられるまちづくりの実現につながると考えます。  デジタル革命の推進に今後どのように取り組むのか、石井知事に所見を伺います。 136 石井知事 今回のコロナ禍で、東京一極集中型の社会構造のリスクが顕在化したこと、またテレワークなどをやってみましたら、随分便利だということも分かってまいりました。  新しい生活様式を取り入れていく中で、デジタル技術を活用した質の高い経済社会と真の意味での地方創生の実現を目指すことが大事だと。また、これは危機をチャンスにしなければいけないと思っております。  そのため、県ではDXの加速化を最重点課題としまして、ものづくり産業の高度化、観光振興や人材育成、スマート農業の推進と中山間地域の活性化、新しい働き方改革と女性活躍、オンラインによる教育・文化、医療・福祉の充実等に取り組みまして、県民の皆さんの快適で幸せな暮らしはもちろんですけれども、若者や女性の移住先として選んでいただけるように、富山県の魅力や価値を高めたいと考えております。  そのためにも、市町村と連携しまして、光ケーブルの世帯カバー率100%──これは神奈川県に次いで全国で2番目ということになりますが──を図る県独自の補助制度を創設しまして、また中山間地域を含め、情報通信インフラの整備や5G等の利活用に全国に先駆けて取り組むことにしております。  さらに、9月補正予算案では、県外の先進的なテレワーク事業者を誘致いたしまして、県内企業との交流を促進する。例えばグーグルやヤフー、楽天、メルカリ、こういったような企業であります。  また、リモートワーカーを対象とした県内での体験ツアーの実施、サテライトオフィスの誘致に取り組む市町村に対する補助限度額の大幅な引上げなど、移住やサテライトオフィスの誘致を積極的に促進したいと思っております。  今後、市町村とも連携いたしまして、県民の皆様が豊かさを実感し、輝いて働き暮らせる県、また移住先として選ばれる県となりますように、アフターコロナ時代を見据えた経済社会構想検討会議での御意見や御提言も踏まえて、アフターコロナ時代のモデル県を目指して全力で取り組んでまいります。 137 吉田委員 どうもありがとうございます。  今、知事が言われたデジタル革命の推進というか、この実現に不可欠なものはやっぱりデジタル人材であろうと思います。  政府の派遣制度も今年度からスタートしたようですし、いろんな民間の大手の従業員などの力も借りて、半年から2年間にわたって、いろんなことをアドバイスしてくれそうでございますので、5Gの整備、それからスマート農業の推進、こういったようなものに、特に市町村と連携をしていっていただきたいと思います。  最後に、コロナ禍における中小企業支援について伺います。  中小・小規模事業者は、雇用全体の約7割を占める日本経済の屋台骨でございます。雇用維持と事業継続に必死に取り組む経営者の皆さんを、政府・与党一丸となって後押ししてきたわけであります。  雇用調整助成金の期間延長や日額上限の引上げ、持続化給付金や家賃支援給付金の創設、それから政府系金融機関での実質無利子・無担保融資の実施など、雇用維持や事業継続支援に取り組んできたわけであります。  その結果、雇用面で見ますと、7月の完全失業率は2.9%と、ある程度抑えられております。また、失業予備軍と言われ、一時は600万人近かった休業者数も、7月の時点で220万人に減少していると。  一方、厚労省の調査から、コロナ関連の解雇や雇い止めが8月31日時点で5万人と、これは見込み数も含むということになっておりますが、5万人を超えていることが明らかとなって、こういった点は非常に重く受け止めていかなければならないんじゃないかと、このように思います。  そこで、本県の中小・小規模事業者の置かれた現状をどのように把握し、今後どのように支援していくのか、石井知事にお伺いをいたします。 138 石井知事 本県経済につきましては、生産は4月以降減少しております一方で、個人消費はこのところ持ち直しの動きが見られますなど、一部では下げ止まりの動きが見られております。  また、委員の御指摘のとおり、雇用情勢は有効求人倍率が9か月連続して低下するとともに、3月以降、感染症の影響による解雇や雇い止めを受けた離職者が、本県の場合、9月11日時点で655人となりますなど、県内の中小・小規模事業者を取り巻く環境は厳しさを増しております。  そこで、県としましても国の経済対策等に呼応しまして、これまで新型コロナ対策として、合わせて773億円余の予算を確保し、感染防止対策や医療提供体制の整備に加えて、事業継続や雇用維持等に取り組んでまいりました。委員から御紹介のあった、国による各種支援策も含めて、多くの中小・小規模事業者に御活用いただいております。  先般、事業持続化・地域再生支援金につきましては、8月末に予算補正15億円を専決処分させていただいて、申請受付を1か月延長いたしました。この支援金は、御承知のとおり、5月時点では休業協力金と併せて支援金を出すという意味では、全国で初めての取組だったわけでございます。  今後、事業継続の観点から、県の制度融資の2つのコロナ融資枠をそれぞれ2倍に拡充しますとともに、雇用面では全国初の取組といたしまして、コロナ離職のトライアル雇用を経た上での再就職支援制度を創設しますなど、幅広い業種の支援に努めることにいたしております。  さらに、地域経済の活性化のために、国のGo To トラベルと連携した冬季の誘客を含む観光需要の回復や、国のGo To 商店街事業を踏まえた商店街のにぎわい回復の取組への支援、また県産食材の需要拡大に努めるほか、総合デザインセンターにデジタルコンテンツ制作に必要な設備の導入をしたり、またデジタルツールの活用や、オンライン商談会等に関するセミナーやオンライン相談の実施などにも取り組むことにしております。  こうした人材の面でも配慮しまして、今後とも本県の経済雇用情勢、今後の状況をしっかり見守って、スピード感を持って必要な対策を速やかに講じてまいります。 139 吉田委員 新しい内閣も始まりましたし、また動きを注視していっていただきたいと思います。よろしくお願いしたいと思います。  次に、2008年の9月に起こったリーマンショックにおきましては、完全失業率が戦後最悪の5.5%に上ったのは10か月後の翌2009年の7月でありました。  これを今回のコロナ禍に当てはめますと、年末から来年の初頭にかけて雇用情勢が逼迫してくる可能性があります。いろいろ現場の話を聞きますと、政府の支援によって当面の運転資金は確保できたものの、今後の見通しはまだ立っていないと。コロナ禍の苦しい中ではありますけれども、中小・小規模事業者に求められているのは、従来から指摘されてきた生産性の向上であります。  また、事業承継の問題についても、コロナ禍によって事業者と後継者のマッチングが一層難しくなっております。人との接触を避けることが求められる中で、非対面でのコミュニケーションや業務の効率化を図るためには、デジタル化への対応を急ぐ必要があると思います。  特に、経営に関する幅広い相談に無料で応じるよろず支援拠点を積極的に活用し、使い勝手のよい支援策である企業の設備投資や販路拡大などに活用できる3つの補助金──ものづくり補助金、小規模事業者持続化補助金、IT導入補助金──の運用改善の状況を踏まえ、県としてこれらの国の支援策の周知徹底にどのように取り組むのか、布野商工労働部長に伺います。 140 布野商工労働部長 新世紀産業機構に国の事業を活用して設置しております、よろず支援拠点における相談件数につきましては、今年4月から8月末まで1,932件、昨年同期と比べ5%増加をしております。  このうち、新型コロナに関係する相談が461件であり、その相談内容については、国や県の補助金や助成金などの支援制度に関するものが多くなっております。  新型コロナの影響を受けました事業者への支援策といたしまして、国では委員からお話がありました、例えばものづくり補助金等につきましては、運用面で今年度から通年募集とされ、また中古設備の購入も補助対象になると明確化されるなど、改善が図られておりますほか、特別枠あるいは事業再開枠が設けられ、補助率や補助金の額の上限が引き上げられるなどの拡充が行われております。  今ほどお話にありました持続化給付金や雇用調整助成金、家賃支援給付金など、こうした国の支援策につきましては、よろず支援拠点等の相談窓口で活用の相談に応じておりますほか、県のホームページや広報紙に県の事業と併せて速やかに掲載するとともに、広報媒体を活用いたしまして情報提供してまいりました。  特に、ものづくり補助金等につきましては、先月、制度の変更点を中心に、国から講師を招いて説明会を開催したところでありまして、通年募集化を受けて今後も開催することとしております。  また、県といたしましても、新世紀産業機構、中小企業支援センターにコロナ対応の相談員を増員し、平日夜、土日祝日、またオンラインでの相談にも対応できますように、相談体制の強化に取り組んできております。  さらに、よろず支援拠点におきましては、今月から新たに市町村、商工会等と連携いたしまして、各市町村での相談会を順次開催しております。  今後とも、事業者の皆様に国や県の支援制度を積極的に活用いただけますように、国、市町村、商工団体と連携いたしまして、迅速かつ適切にしっかりと周知をしてまいります。 141 吉田委員 どうもありがとうございます。  このものづくり補助金というのは、物すごく評判がよくて、使い勝手がいいということでいいわけですが、でもまだまだ知らない人がたくさんおられます。  特に、先ほど部長言われましたように、中古設備の購入にも認められたというところを知らない人がいっぱいいて、新しいものでないと駄目じゃないのかなと思っている人がたくさんおられると思いますので、こういったところの周知徹底をこれからもぜひやっていただきたいと思います。  ところで、新型コロナウイルスの感染拡大で打撃を受けている中小企業や個人事業主を支援する持続化給付金をめぐって、不正受給が相次いでいると。断じて許されない悪質な行為であると思います。  持続化給付金は、コロナ禍で収入が半減した事業者に最大200万円支給されるわけであります。5月の申請開始以降8月末までの給付件数は約322万件、給付額は約4.2兆円に上るわけであります。  また、迅速に事業者に届くよう申請手続も簡素化されており、未曽有の苦境にある事業者を支える大きな役割を果たしておるわけであります。  この不正受給は、こうした手続の簡素化に付け込んだものと見られるわけであります。経済産業省も対応を強化していると。6月下旬から専属職員を配置して調査を開始し、警察と密接に連携をしております。  先月下旬からは、ホームページなどで虚偽行為を列挙して、不正は絶対に許しませんと警鐘を鳴らし、SNS上の不正を誘発する書き込みなどへの監視も強めていると。  不正受給で摘発される事例は氷山の一角とみられ、さらなる被害の拡大を防ぐためにも、警察当局は全容解明を急いでほしいと思います。  本県における現状と対策について、大原警察本部長の所見を伺います。 142 大原警察本部長 持続化給付金の詐欺についてのお尋ねですが、全国では、8月26日時点において6件認知し、6件検挙されております。  先ほど委員からもお話がありました中小企業庁などが中心となって、不正受給の防止に向けた注意喚起を行っているところであります。  現在のところ、当県では同種事案の発生を確認しておりませんが、今後、当県でも発生するおそれが排除できないことから、十分な警戒が必要であると認識しております。  当県では、新型コロナウイルス感染症に便乗した詐欺等の犯罪を防止するために、県警ホームページにおける注意喚起、マスコミへの情報提供等に努めているところでありますが、今後ともこれらの取組を継続するとともに、持続化給付金の不正受給事案を認知した場合には厳正な取締りを実施してまいります。 143 吉田委員 ぜひ監視を強化していただきたいと思います。  過去にも、東日本大震災のときも雇用調整助成金で不正受給の横行が問題となったわけであります。  緊急性が求められ、性善説に立つ持続化給付金の審査、なかなか不正を見抜くのは難しいかもしれませんが、しかし財源は国民の税金でございますので、不正は絶対許されないというような思いでしっかり監視をしていただきたいと、このように思いますので、どうかよろしくお願いしたいと思います。  以上で終わります。
    144 藤井副委員長 吉田委員の質疑は以上で終了しました。  暫時休憩いたします。  休憩時間は10分間といたします。                     午後3時16分休憩                     午後3時29分開議        永森直人委員の質疑及び答弁 145 武田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  永森委員。あなたの持ち時間は60分であります。 146 永森委員 本日のラストバッターを務めさせていただきます自由民主党の永森直人でございます。  同い年の針山君のように面白いことは言えませんけれども、せめて元気よくさせていただきたいと思っております。  私からは、新型コロナウイルスから県民を守り抜く取組ということで、まずお尋ねをさせていただきたいと思っております。  明日19日に富山アラートが解除になるというようなお話がございます。第1波が3月の末から5月の中旬まで、そしてその後、一旦収まったものの、7月の初旬から第2波と思われるような感染の波が出てきているということでございます。  今は一旦少し落ち着いてきているような状況ではございますけれども、恐らくこの後もきっと感染の波というものが必ず出てくるんだろうと思っております。  しかし、大事なことは、感染の波がきっとまた出てきたときに、慌てずにしっかりと医療の状況を見ながら、社会活動、経済活動を止めることなく、全力で回していくということにしっかりと努力をしていくことが、まずとても大事だと思っております。  そしてもう一つは、とはいえ、この後、新型コロナとインフルエンザ等々を含めた冬季に感染が出てくる様々な病気がございますので、そうしたものとの両立といいましょうか、その中で、医療現場が混乱するんじゃないのかということを非常に懸念しております。  そうした観点から、質問をさせていただきたいと思っています。  まず1点目は、新型コロナの感染症、連日のように陽性者が何人だというようなお話が出ております。  しかし、初期の頃とは異なりまして、重症者がどのような状況になっているのか、またどういう方が重症化をしているのか、あるいは不幸にして亡くなるケースというのはどういうケースなのだろうか、そうしたことを含めて、年齢構成、特徴、また第1波、第2波で、どのような傾向の違いがあるのか。そのようなことをまずしっかりと把握をしていくということが大事だと思っておりますし、またコロナウイルスは、子供は割と感染しにくい、重症化しにくいということ、また子供が御家庭で高齢者の方にうつしたりすることが危ないんじゃないかというような懸念もあったりいたします。  そうした状況も含めて、まずは現状を石黒厚生部長にお尋ねしておきたいと思います。 147 石黒厚生部長 県内におきます新型コロナウイルス感染症の死亡者は、9月17日現在で25名となっております。  年代別で申しますと、50歳代以下の死亡例はございません。60歳代から年齢が高くなるにつれまして割合が増えてきておりまして、90歳代以上の方が44%、11人を占めております。  また、重症者につきましては16名となっておりまして、40歳代以下の重症例はなく、70歳代と90歳代がそれぞれ31.3%、5名ずつを占めているところでございます。  なお、子供の重症化につきましては、国において、若年層では重症化の割合が低いとされておりまして、県内におきましても、これまで10歳代以下の若年層の重症化の症例は確認されておりません。  また、10歳代以下から高齢者への感染につきましては、家族間であってもやはり感染経路の推定は難しいこともありまして、県内ではまだ確認されておりません。  一方、3月から5月のいわゆる第1波と7月から現在までを比較いたしますと、第1波のときの感染者は227名、7月以降は182名となっております。  これを年代別で見ますと、第1波のときは20歳代から90歳代以上まで、比較的均等に各年代に分布していたのに対しまして、7月以降は20歳代が最も多く、20歳代から40歳代の若い層が半数以上、合計で103名、56.6%となっているところでございます。  また、感染経路が不明な例につきましては、第1波のときが37例で16.3%と比較的少ないのに対しまして、7月以降は69例と比率にいたしますと37.9%と多くなっております。  これにつきましては、第1波のときは、富山市内におきまして、病院や介護老人保健施設等におきます比較的大規模なクラスターが発生したことで感染経路が特定できる事例が多かったことが影響していると考えておるところでございます。 148 永森委員 ありがとうございました。  年齢構成も、やっぱり第1波と第2波では、かなり違うということもあるんだろうと思います。  しかし、いろいろと毎日統計のほうを見せていただいておりますと、陽性者に占める重症者、死亡者の数というのは、明らかに減少してきているのではないかと思っております。  また、重症化している方、数字で見ていると度々出てくるんですけれども、そこから回復してきているような方々も結構いらっしゃるんじゃないかなと思うんです。  そこで、その要因として、今ほど医療機関等々のクラスターのお話もありましたけれども、そうしたクラスター予防について、かなりしっかりできているということが一つだと思います。  もう一つは、もともと未知だと言われ、どのように治療していいのかも分からないというようなウイルスから少しずつ治療法なども確立されつつあって、重症化からしっかり回復していく方が増えてきているということもあるんじゃないかと思いますけれども、そうした要因も含めまして所見をお伺いしたいと思います。 149 石黒厚生部長 いわゆる第1波のとき、3月から5月までに新型コロナウイルスに感染された方は、先ほど申したとおり227名でございます。このうち亡くなった方が22名、重症の入院患者は10名、重症から回復した方は2名でございます。  一方、7月から9月までの感染者は、先ほど申したとおり、昨日現在で182名でございます。このうち亡くなった方は3名、重症の入院患者は6名、重症から回復した方は3名ということでございまして、第1波と比較しますと死亡者は激減しております。重症者の割合についても低下しておりますし、重症から回復された方も増えております。  重症者が減っている要因といたしましては、第1波の感染者については、介護施設等におけるクラスターに代表されますとおり、80歳代が最も多く、60歳以上が半数を占めるなど、やはり重症化のリスクが比較的高い高齢者が多かったということがあろうかと思います。  これに対しまして、7月以降の感染者は、今ほど申しましたとおり20歳代が最も多く、20歳代から40歳代が全体の半数以上を占めていると、比較的若年者が多かったことが大きいのではないかと思っているところでございます。  また一方で、今、委員からもお話がありましたとおり、やはり第1波のときの経験、これをそれぞれがされておりまして、未知と言われたウイルスに対する医療機関における治療や対応の経験の蓄積に加えまして、それぞれの医療機関あるいは介護施設等におきましても、やはり感染症に対する危機管理意識の向上、適切な感染予防の徹底などが皆さんの意識の中にあって、いろいろ努められたことがあろうかと思っているところでございます。 150 永森委員 ありがとうございます。  もちろんお一人お一人の対処の仕方がいいということもあろうかと思いますけれども、他方で、未知と言われたこの病気に対する対処法というものが少しずつ見えてきておりますし、どういうところにしっかりと重点的に対策を打てば、重症者あるいは不幸にして亡くなる方を防ぐことができるというようなことが分かってきているのかなと思っています。  そういう点で、私は恐れる必要はないと言うつもりは全然ないんですけれども、他方で、最近ちまたでいろんな方のお話を聞いていますと、自分が感染をして自分の健康を害することを恐れるというよりも、むしろコロナにかかったということを周囲から言われたりすることに恐怖を覚えていたり、あるいは様々な商売をやっている方もそうだと思いますが、うちの会社から出したくない、うちの学校からは絶対に出したくないなど、むしろそういう意識が過度に強くなっていて、そのことが何かこの対策の方向性を少しおかしな方向といいましょうか、必ずしも適切な方向に行かせていない要因になっていると思うんです。  そこで、8月の初旬でしたか、高岡市内で中学生が感染したというのがニュースになったんです。私はたまたま家でテレビを見ていたら、そのニュースをぱっと目にしまして、大変に、ぎょっとするような思いがいたしました。  つまり、私も同い年ぐらいの子供がいまして、例えば自分の子供がそういう感染症だということがテレビのニュースで流れるような事態になったときの、本人であったり家族であったりの精神的な苦痛というのは、大変大きいものがあるんじゃないかと思うわけであります。  そうした学校名の公表のようなところの部分について、感染予防と地域の住民の皆様の不安を解消するというバランスとして見たときに、どういう在り方が適切なのかということを、いま一度考えていく必要があると私は思いますけれども、伍嶋教育長の所見を伺います。 151 伍嶋教育長 感染症が発生した場合の学校名の公表については、その設置者が判断しているものでありますけれども、県立学校では、第1波の際には感染拡大の可能性がかなり低いと判断する知見がなく、学校内での感染拡大のおそれもあったことや、濃厚接触者を特定するため一定期間の臨時休校措置が必要であり、その際には対外的にも周知されることとなること、さらには県民の疑心や不安を生じるおそれがあることなどから、学校の事情等も踏まえて、公表することがやむを得ないと判断して公表をした事例はございます。  その後、本年8月に、国から衛生管理マニュアルを遵守すれば学校内での感染リスクは低い旨の見解が示されたことや、また児童生徒等が、今、委員からもお話がありましたけれども、誹謗中傷等の差別やいじめ、偏見の対象となるおそれもありまして、個人情報の保護に最大限留意する必要があることなどを踏まえまして、現在では原則として公表しない取扱いとすることとしております。  なお、感染者が発生した場合には、別途速やかに保護者等の関係者に対しては、発生に関する情報を連絡することとしております。  さらに、県教育委員会では、感染症に起因する差別やいじめが生じないよう、保護者や児童生徒に対して差別や偏見の排除等を要請、指導するほか、感染症に対する正しい知識の指導、また心のケア等のため養護教諭等による支援を各学校に依頼しておりまして、今後とも適切に対応してまいりたいと考えております。 152 永森委員 ありがとうございました。  すみません、その国のほうからの通知を存じ上げなくて。今はそのような対応になりつつあるということでございますので、ぜひとも子供たち、あるいは保護者の皆様方への配慮というところにも、十分目を向けていただければと思っております。  続きまして、新型コロナウイルスとインフルエンザの同時流行への対策ということで、ここで資料の配付をしたいのですけれども、委員長、よろしいでしょうか。 153 武田委員長 認めます。よろしくお願いします。 154 永森委員 それでは、資料のほうを配付いただきたいと思っております。  そこで、先ほど吉田委員の質疑の中でも少しお話が出ておりましたけれども、9月4日に厚生労働省のほうから、次のインフルエンザ流行に備えた体制整備についてという通知が出ております。  この通知を少し分かりやすく図解してみました。一応厚生部さんにも確認いただいたので大きな間違いはないと思っておりますけれども、上半分が現在の体制、そして下半分がインフルエンザとの同時流行に備えた体制ということになっているわけであります。  現在は、新型コロナに対しては、御存じのとおり帰国者・接触者相談センター、県内9か所、こちらのほうに相談をし、そして必要に応じて帰国者・接触者外来等々で受診あるいはPCR検査を行って、必要であれば入院まで行くというような流れだと思っております。  他方で、インフルエンザとの同時流行に備えた体制ということであります。  この通知によりますと、季節性インフルエンザの検査件数、国全体ですけれども、ワンシーズンで2,000万件から3,000万件の検査をしているということでありますので、100分の1というところで見ると20万件から30万件、富山県でも検査をしているのではないだろうかということになります。  また、季節性インフルエンザに起因するような関連死を含めますと、1年間で国全体で1万人ぐらい亡くなっておられるということでありまして、これをまた100分の1にすると100人ぐらい、こうした関係で亡くなっているのではないかと思っております。  まだ私の記憶の中でしっかり残っているのが、今年の初めに県東部の小学生の方がインフルエンザ脳症で亡くなったというニュース、本当に残念なニュースですけれども、今年の1月にありました。ですので、コロナと比較する必要はないんでしょうけれども、やはりインフルエンザという病気も極めて恐ろしい病気だということをしっかりと僕たちは認識をしなくちゃいけないんだと思っております。  この同時流行に備えて、国のほうでは10月中に体制整備をしてほしいということで、こうした通知が来ているということであります。  先ほども少しお話があったと思うんですけれども、まず相談についても、帰国者・接触者相談センター、いわゆる厚生センターではなくて、かかりつけ医等の地域の身近な医療機関で相談を受けるということになっておりまして、その医療機関では、看護職員が適切な医療機関を案内、家庭内感染や受診の留意事項について指導を行っていただくということになっておりますし、もう一つは、先ほども石黒部長からお話のあった診療・検査医療機関(仮称)を設置して、できることなら相談から診療・検査まで、一連の流れとしてこの機関で担っていただくような、かかりつけ医等の地域の身近な医療機関をつくってほしいと言っております。  この検査は、必ずしも地域の身近な診療・検査医療機関(仮称)で行う必要はなく、検査そのものは、現在もやっているような帰国者・接触者外来や地域外来・検査センターであったり、あるいは大学や衛生研究所のような検査機関に委託していくことも可能であるということを言っております。  他方で、現在、多分この帰国者・接触者外来的な役割も担っているであろう感染症指定医療機関については、逆に言うと、入院のようなところにむしろ特化をして、医療資源の効率的な活用をしてほしいと、そのようなことが通知として出てきているということであります。  その上で、まずこの体制をしっかり整備していかないと、さっきも言いましたけれど、発熱しても何かコロナだったら嫌だという感じで、なかなか病院に行かない人がいるんですよね。そういう方々が受診を控えたりするということが、まずとても恐ろしいと思いますし、病院へ行ったら逆に感染するんじゃないかと思っている人もいるので、そうした受診控えのようなことがまず大変懸念されるのと、対応する医療機関のほうでも、やはりコロナの方がということで診療の受付そのものがスムーズに行くのだろうかという懸念もあったりいたします。  ですので、ここら辺、あらかじめしっかり交通整理ができないと、極めて混乱が生じるのではないかと思うわけであります。  そこでまず、かかりつけ医等が担う診療・検査医療機関(仮称)について、どの程度の規模で設置をして、また見分けのつかない発熱患者の相談診療体制をどのように構築していかれるのか、厚生部長の所見を伺います。 155 石黒厚生部長 今、委員のほうから、国からの通知の概要を御紹介いただきましたけれども、インフルエンザの流行に備えまして、発熱等の症状がある多数の患者に対して、地域において適切に相談、診療、検査できる体制を整備するため、先般、国から体制整備の方針が示されたところでございます。  具体的には、これも御紹介いただきましたけれども、発熱患者等に対しましては、まずはかかりつけ医等の身近な医療機関が相談を受け付け、自院で診察、検査を実施、あるいは必要に応じて適切な医療機関を紹介する体制を整備するとともに、発熱患者等の診察、検査を自院で行う医療機関を診療・検査医療機関(仮称)として県が指定することとされております。  また、相談する医療機関に迷う場合には、厚生センター等に新たに設置する受診・相談センター(仮称)に相談できる体制の整備を図ることとしております。  委員からの御紹介に1点だけ訂正したいんですけども、この体制整備につきましては、国のほうでは10月中を目途という言い方をしておりまして、10月中に必ずということではちょっとありませんけれども、県では10月中を目途に新たな相談、診療、検査の体制が構築できるよう、また数につきましては、やはりできるだけ多くの医療機関に診療・検査医療機関(仮称)として指定を受けていただけるよう、現在、県医師会等の関係機関に対して、本当に十分、丁寧に説明を行いながら、いろんな事項についての協議を行っているところでございます。  今後とも、関係者、非常に多うございますけれども、県の医師会、郡市医師会、公的病院長協議会、あるいは医療機関の皆様方、そういう幅広い関係の皆さんの御協力を得ながら体制の整備にまた取り組んでまいります。 156 永森委員 ありがとうございます。  先ほども申しましたとおり、極めて負担も大きいと認識をいたしますので、難航も予想されると思いますけれども、体制整備にしっかり努めていただきたいと思います。  2点目はこの検査体制でございます。  先ほども少しお話もありましたけれども、診療・検査医療機関(仮称)において検査を行う体制を構築していくことを想定しているんですけれども、一方で検査委託も可能になっているということでございます。  インフルエンザ流行期に向けて、かかりつけ医等での検査体系も含めて、検査体制整備計画の策定なども必要だということが通知には記されております。どのように取り組んでいかれるのか、お伺いいたします。 157 石黒厚生部長 インフルエンザの流行に備えた診療・検査医療機関(仮称)の診療・検査体制については、感染防止対策の方法によって国から4つの類型が示されております。  こちらの資料にもありましたけれども、1つはドライブスルー型、2つ目が野外型──テント等を設置するもの──であります。3つ目が、同じ診療所内で発熱以外の患者さんと発熱患者さんの受ける時間帯を分離するもの。4つ目が、複数の診療所で輪番制を設けるもの、この4つの類型が示されておりまして、地域の実情を踏まえて院内感染を防止しつつ、発熱患者の診療、検査を行う体制を検討することとされております。  また、自らの医療機関、診療所等におきまして、検体を採取しない医療機関につきましては、必要に応じて地域外来・検査センターへ紹介するという体制を取るということにされているものであります。  現在、主に診療、検査を担っております帰国者・接触者外来につきましては、先ほど御紹介もありましたけれども、疑い患者の診察、検査を担う医療機関が十分に増加した場合は、入院治療等に専念するように役割分担を検討することが望ましいと、国の指針ではなっております。  各医療機関や医師会等関係機関と協議し、今後の診療・検査体制の在り方、あるいは帰国者・接触者外来を設置している医療機関の役割等について検討を始めているところでございます。  なお、新しい検査体制整備計画の策定につきましては、こうした新しい診療・検査体制や、国から示された策定指針等を踏まえまして、何遍も繰り返しますが、関係機関との十分な調整を図りながら現在検討している最中でございます。  今後とも、医療機関や医師会等、関係機関の皆様の御協力をいただきながら、診療体制、検査体制の整備にまたしっかりと取り組んでまいります。 158 永森委員 ありがとうございます。  関係者が多分たくさんいらっしゃって、軽々にいろんなことが言えないんだと思いますので、御事情は十分分かりますけれども、早めにそうした体制の整備をお願いしたいと思っております。  他方で、今ほどのお話ともきっと関連すると思います。私も自分で作ってきた資料の赤字で書いた部分ですけれども、様々な診療・検査医療機関(仮称)において、いろんな設備を整えたり、あるいは時間的な分離など、医療機関にとって非常に負担の重いことをやっていかなければならない状況になると思っています。  そうした中で、今回の9月補正予算案に、医療機関の検体採取、診療等機能向上緊急対策の経費ということで5,900万円が計上されているわけであります。  しかし、こうした様々な対策、しかも箇所数も、今なかなかおっしゃってはいただけないですけれども、相当数整備していくというときに、何らかの支援がないと、なかなか、受けられる医療機関のほうも、分かりましたということにはきっとならないんだと思っております。  そのような点につきまして、人的、財政的な支援をどのように行っていかれるのか、石黒厚生部長、よろしくお願いいたします。 159 石黒厚生部長 医療機関に対しましては、現在、緊急包括支援交付金を活用して、感染拡大防止対策や、診療体制確保に必要な費用への支援、慰労金の交付などを行っておるわけでございます。  加えて、診療・検査医療機関(仮称)の指定に当たりましては、検査体制に応じて必要となります個人防護具が国から配布されることとなっております。  また、専用の診察室等を設けた上で住民に周知し、または地域の医療機関と情報共有して、発熱患者等を受け入れる体制を取った場合につきましては、外来診療・検査体制確保に要する費用を補助する制度が今回、国において措置されたところでございます。国全体で2,000億円余りと聞いておるところでございます。  こうした個人防護具の配布や補助金等につきましては、今後、国から具体的な運用が示された際には、県としても迅速に対応できるよう準備を進め、診療・検査医療機関(仮称)に対して十分な支援が行えるよう、今後とも努めてまいります。 160 永森委員 ありがとうございます。  インフルエンザ流行に備えた体制整備ということで質問をしてきました。絵に描くととても簡単ですけれども、実際、現場でこれを動かすとなると、そんな簡単には到底いかないと思っていますし、極めて難しい調整が今後出てくると思わざるを得ません。
     インフルエンザ等で多くの方が発熱されるという状況の中で、どの方にどこへ行けという仕分といましょうか、それをしていくというのは本当に大変なことだと思いますので、医師会等々とも調整はありますけれども、ぜひとも早急に体制を整えた上で、十分な調整、そしてまた県民の皆様方への周知をよろしくお願いしたいと思っております。  次に、インフルエンザワクチンの関係で、ワクチンの確保につきましては、一般質問で川上議員からも質問がございました。供給量はしっかりと確保されるのだろうかという懸念がまず大変大きく、今日の新聞にも富山市議会の質疑の様子もちょっと出ておりましたけれども、確保がどうなのかということ。  そして、医療機関に接種をしたい方が殺到するようなことになると、これまた非常に混乱を招くのではないかということであります。  私たち小さい頃は、よく学校で集団接種ということでしておりましたけれども、全員ということではなくて、希望される方に対して、学校などでの集団接種のようなことも、時間的に間に合うのかどうかちょっと分かりませんけれども、こうしたことの検討ということも考えてみてもいいのか──よかったと過去形なのか分かりませんけれども──と思うんですけれども、対応をどのように取っていかれるのか、石黒厚生部長、よろしくお願いいたします。 161 石黒厚生部長 インフルエンザワクチンの製造には数か月の時間を要することなどから、ワクチンを短期間に大幅に増産することは困難とされているところでございます。  国において、ワクチン製造者に増産を働きかけまして、今シーズンの供給見込み量は約3,178万本となりまして、これは平成8年以来最大となりました昨年の使用量と比較しますと、約12%多いということでございます。  しかし、今回、全国的にコロナとの同時流行を恐れるということで、インフルエンザワクチンの需要が高まる可能性がありまして、国におきましては、定期接種の対象であります高齢者をはじめ医療従事者、小児等、関連学会が推奨する対象者が接種の機会を逸することがないよう、優先的な接種対象者への呼びかけ及び医療現場への効率的なワクチン接種の働きかけを行うこととされているところでございます。  なお、委員からお話がありました子供に対するインフルエンザワクチンの集団接種につきましては、そうなった場合、実施主体は市町村になると思われますけれども、原則、インフルエンザの接種につきましては、保護者への相談と保護者の同伴、そして緊急時の対応体制の確保がどうしても必要となってくることなどを考え合わせますと、やはり実施主体におかれては慎重な対応が求められると思っているところでございます。  本県におきましても、国で検討された方針などを踏まえて、県医師会に対しまして、優先的な接種について協力を要請するとともに、県医薬品卸業協同組合との連携によりまして、県内の供給状況等につきまして素早く的確に把握するとともに、ワクチン供給の逼迫や偏在等の発生を防ぎ、必要なワクチン接種が受けられますよう適切に対応してまいります。 162 永森委員 石黒部長、本当にたくさんありがとうございました。  石井知事、大変長らくお待たせをいたしました。  2点目は、未来への礎をつくる取組ということであります。  石井知事は、提案理由説明等々におかれましても、アフターコロナ時代に向けまして、まさにピンチをチャンスにということを合い言葉にしていただきながら、しっかりとチャレンジを果敢に行っていくという意欲を示していただいております。私も大変大きなチャンスと捉えることができるのではないかと思っております。  現在、東京一極集中という国土構造で、大変強みもあったわけでありますけれども、現在ではむしろ災害リスク、あるいは過密な都市構造ということで非常に弊害になっている部分が目立ってきていると思っています。  他方で、地方のほうに目を向けてみても、地方の経済圏もどうも特定の都市に集中しているんですよね。北海道だと札幌、東北なら仙台、中国地方では広島、九州なら福岡というようなことで、地方が主役と言いながら、それはそれで正しいのかと思ったりいたします。  そうした中で、北陸圏は、これから、金沢がということであってはならないと私は思っていますし、他方で富山がということでもなくて、むしろ金沢、富山あるいは高岡、そうしたところを中核にしながら緩やかに周辺の都市も結びついていくような、まさに分散型のエリアを目指していくモデルにしていっていただきたいと思うわけであります。  そのためには、いろいろと一般質問等々、また今日も出ていましたけれども、交通インフラの整備はとても大事だと思っていまして、北陸新幹線の大阪延伸、そして東海北陸自動車道の全線4車線化、特に東海北陸自動車道辺りについては、インパクトがしっかり県民に伝わっていないのではないかと思ったりもいたしております。  この両事業の意義と2030年頃までの実現の見通し、意欲を石井知事にお尋ねをいたします。 163 石井知事 北陸新幹線は、国の地方創生戦略を生かした取組と相まって、観光客の増加、企業立地の進展、Uターン率の向上、移住の増加等、大きな効果をもたらしており、今後、敦賀開業、大阪延伸により、さらなる経済効果が期待されるわけでありまして、また南海トラフ地震等を考えますと、国土強靱化の観点からも重要な意義を有しまして、北陸、関西はもちろんですけれども、日本全体の発展に大きな意義があると思っております。  先月8月20日には、北陸新幹線建設促進同盟会が中心となりまして、政府・与党に対して、まず金沢─敦賀間の令和4年度末までの確実な開業と、また敦賀以西について、環境アセスメントの速やかな推進とともに、国費の増額や貸付料の算定期間の延長等を含めて、必要な財源約2.1兆円を確保の上で切れ目なく着工して、令和12年度末の北海道新幹線・札幌開業頃までに大阪延伸が実現するよう強く求めたところでございます。  本当に二、三年前までは、大阪延伸というのは2046年、今から言うと26年後というような想定が政府の資料にあったぐらいです。最近はそういうことが大分影をひそめてきて、とにかく切れ目なくやるということについては、政府・与党で共通の認識になりつつあるんじゃないかと期待をしております。  一方で、東海北陸自動車道は、日本海側と太平洋側を結ぶ中部圏の大動脈として、国土強靱化や地方創生の観点から極めて重要な道路でありまして、安全性や信頼性を高めて、物流の円滑化を図る観点から4車線化に積極的に取り組んでまいりました。  昨年9月には、事業化されていない全ての区間が10年から15年程度で4車線化を目指す国の優先整備区間に選定され、さらに今年3月に2か所、約20キロについて事業化が決定されたところでありまして、残る区間は県内で5キロ、また岐阜県側で飛騨トンネルを含む23キロでありますので、これも早期に事業化をして、全線4車線化ができるだけ早く実現するように、国や中日本高速道路株式会社に強く働きかけてまいります。  北陸新幹線の大阪延伸や東海北陸自動車道の全線4車線化は、富山県を含む北陸と東京、中京、関西をネットワーク化する大ゴールデン回廊の創出及び深化をもたらすものでありまして、北陸地域が環日本海の拠点地域として大きく飛躍することにつながります。  先般、富山県は幸福度ランキング2位となりましたけれども、ぜひ1位になりたいんですが、それも別に富山県だけが何かというよりは、北陸全体が大いに飛躍することが大変楽しみであります。  新幹線の問題に長年関わってまいりました経験も生かさせていただいて、またいろんな人のネットワークも生かして、関係府県や経済界などと連携して、もちろん国会の先生方や県議会議員の皆様と一致団結して、何としても、あと一、二年で約2.1兆円の財源問題にきちんとした決着がつきますように全力で取り組んでまいります。 164 永森委員 大変に期待をいたしております。ぜひともよろしくお願いを申し上げます。  続きまして、漁業の関係について伺いたいと思っております。  水産庁の資源管理の強化という中で、現在8魚種について漁獲規制をしているものをブリやベニズワイガニなど15魚種まで広げていくというような報道がなされました。一見非常にピンチのように見えるわけでありますけれども、これを機会に資源管理をどのようにして、そして少ない漁獲量の中でいかに高値で販売していくのかというところについて、しっかり考えていく必要があると思います。  先ほど酒井委員の質問にも、ビッグデータの活用、AIの活用ということもありました。そうした最新の技術をしっかりと使いながら、本県の漁場の資源管理をしっかり行って、水産業の競争力強化につなげていっていただきたいと思いますけれども、堀口農林水産部長の所見をお伺いいたします。 165 堀口農林水産部長 委員御紹介のとおり、先般、漁獲規制の対象を現在の8魚種に加えまして、漁獲量が多いものを中心に、さらに15魚種の順次追加を検討するとの報道がございました。  この追加が検討される対象魚種には、本県で漁獲されますブリやベニズワイガニも含まれておりますが、水産庁によりますと、漁獲量が少ない都道府県については、現行水準の漁獲量であれば、配分数量を明示せずに管理する方向で検討中とのことであります。そうなれば、本県の場合、具体的な数量割当ては設定されず、漁獲規制が行われるほどの厳しい管理にはならないと想定されております。  また、対象魚種については、漁業者等の意見も踏まえて慎重に選定するとされておりまして、引き続き国の動向を注視していきたいと考えております。  国のほうで導入されております漁獲可能量管理、いわゆるTAC管理と申しますが、水源資源安定のためには重要でございます。  県では、これまでも定置網からの小型クロマグロの放流技術、資源増大に向けたキジハタ、アカムツの栽培技術の開発などに取り組んでおります。  一方で、富山のさかなの付加価値を高め、競争力を高めることも大変重要であります。これまで県内水産物のブランド化や魅力発信による販路拡大に取り組んでいるほか、資源の持続性に配慮した水産エコラベル認証の取得支援なども進めているところでございます。  今後とも、漁業関係者とも十分連携しながら、本県水産業の資源管理と競争力の強化にしっかり取り組んでまいります。 166 永森委員 ありがとうございます。今ほどいろいろお話もいただきました。ぜひともしっかりとよろしくお願いしたいと思っております。  続きまして、女性の活躍について1問質問させていただきたいと思っております。  これから人口減少という中で、女性の力をしっかりと活用していくということが極めて大事だと思っております。  諸般の事情から、私も最近、知事あるいは知事の奥様と御一緒する機会を頂戴して大変うれしく思っているんですけれども、その中で、知事の御家庭でのあんまり聞いたことないようないろんなエピソードが出てくるわけでありまして、知事は本当に仕事一徹というような感じに見えながら、家庭では奥様のキャリアアップをしっかりとお支えいただいているというような裏話、こぼれ話を聞かせていただいております。  そうしたことが、知事がこの間、女性のキャリアアップというところに本当に熱心に取り組んでこられた、その要因にもなっているのかなということに改めて気づかせていただいたわけであります。  これから人口減少という社会の中で、女性活躍は大事ですけれども、やはり県庁という組織が率先してモデルを示していくということがとても大事だと思っていますし、多様化する行政ニーズにしっかり応えていくという中でも重要だと思っております。  女性職員の管理職への登用を積極的に進めるべきと思いますけれども、どのように取り組まれるのか、石井知事にお伺いをいたします。 167 石井知事 人口減少時代の中で、やっぱり質の高い総合的な行政を展開するには、女性の力をこれまで以上に活用していくことは重要だと思っております。  県としましては、率先して意欲と能力がある女性職員の登用をさらに促進するために、平成25年度に知事部局における女性管理職の割合を令和5年4月までの10年間で15%以上とする目標を設定いたしました。  私が知事に就任しました前年の平成15年は、女性管理職は4.8%、今申し上げた平成25年度で7.1%になっております。それで、10年間で2倍という目標を設定したわけであります。  この達成のために、育児休業中の職員が円滑に職場に復帰できる環境づくりや、仕事と家庭の両立に配慮した働きやすい環境整備に努めますとともに、女性職員が幅広い分野で経験を積めるように、人事配置についても、例えば予算要求や政策法務といったところの部署にもできるだけ就いてもらう、そういったことに心がけますなど、キャリア形成と意識改革に積極的に取り組んでまいりまして、今年の4月には女性管理職の登用率15.2%となりまして、目標を3年間前倒しで達成できました。  人口減少時代にあって富山県がさらに飛躍するためには、男性はもちろんですけれども、女性の活躍がますます重要になると思っております。  県としては、今後さらに男性職員の育児参加の促進、在宅型テレワークの拡充、県庁内保育所の整備など魅力ある職場環境づくりに取り組みますとともに、意欲と能力のある女性職員の育成、登用に努めまして、まだ検討中ですが、今後5年間で知事部局における女性管理職登用率を、少なくとも20%以上とすることを新たな目標に設定する、そうしたことも検討いたしまして、県庁がまずは女性活躍のモデルとなるように、同時にそれを民間にも広げていく、こういった考え方で取り組んでまいりたいと思います。 168 永森委員 ありがとうございました。よろしくお願いをいたします。  続きまして、デジタル革命時代に向けての教育についてということであります。  デジタル革命というか、DXということでいろいろと言われておりますけれども、教育の分野は、データなどを活用するのにとても向いている部分でないかと私は思っています。  個別のデータをしっかりと集積して、そして時系列で一人一人に着目しながら教育をしっかりと行っていく、これが個別最適な教育というところにしっかりつながっていくのではないかと思っているわけであります。  先ほど来、何回も誰一人取り残さないという言葉が出ておりますけれども、そうした誰一人取り残さない教育の実現に、集積データの活用などを通じて、どのように富山県のICT教育の未来をつくり上げていかれるのか、伍嶋教育長にお伺いをいたします。 169 伍嶋教育長 今後のICTを活用した教育の展開方向といたしましては、まずは時間や距離などの制約にとらわれない学び、またAIを活用した教材による効果的な学びの推進など、これまでとは全く異なる取組が可能となることが見込まれます。  具体的に申し上げますと、同時双方向型のオンライン指導を通じて、緊急時においても教育活動を継続することができること、また子供の学習状況に応じた教材を提供して、効果的な知識、技能の習得につなげること、また委員からも紹介がありましたけれども、教育データを個別に収集分析をして、今まで難しいとされていた個々の子供の理解度などに応じて効果的な学習方法を見いだし、具体的な支援にまでつなげることが可能となるなど、まさに個別に最適化された学びが実現することとなります。  このように、教育ツールとしてのICT教育の未来はかなりの進化を遂げると思われますけれども、反面、今後むしろ教師による対面指導や、生徒同士の学び合いなども大切になると考えられまして、教師には多様な他者と共に問題の発見と解決に挑む資質を育成していく教育が求められる、ICTと対面指導のいいところをそれぞれ用いた教育が必要になる、そういう形になるものと思っております。 170 永森委員 ありがとうございます。  おっしゃられたとおり、未来に向けて教育の世界に大きな変革を及ぼす可能性が大変に高いと思っていますし、それを最大限活用していただきたいと思います。  6月定例会で石井知事は、教育CIOの設置について検討したいというような方向性を示していただきました。また、今定例会でも令和3年度のデジタル化推進組織の設置可能性にも意欲を示されております。  大きな変革の中で、国でも今、デジタル庁の創設ということで、民間からも積極的な人材登用を行っていくということを明らかにしているわけであります。  本県がデジタル化推進のモデル県になるために、デジタル化に対する高い見識と経験を持つ民間人を、条件に糸目をつけないぐらいの覚悟で登用していく必要があると考えますが、教育CIOの人物像も含めて、石井知事の所見をお尋ねいたします。 171 石井知事 デジタル化、デジタルトランスフォーメーションの推進に向けた課題に戦略的かつ総合的に対応しますために、令和3年度の組織機構の見直しに向けまして、デジタル化の推進に関する部局横断的な組織の創設を検討しますほか、国に先行して取り組む気概を持って全国のモデル県となりますように、本県におけるデジタル化を効果的に推進するために、お話のように、例えば民間企業において豊富な知識、経験を持つ人材を活用するといったことについても積極的に検討してまいりたいと思います。  また、教育CIOについては、教育の情報化の統括的な責任を担うために、ICTに関する教育、技術、行政の各分野のバランスを図りながら、教育の情報化のビジョンを構築して、計画的、総合的に実行できる方がふさわしいと考えております。  ICT教育の専門家からも、学校現場でのICT環境整備や有効な活用、教員研修等と一体化して推進するためには、ICT技術だけではなくて、教育全般や授業のICT活用に詳しい方が望ましいといった意見があります。  教育委員会では、こうした意見や他県の状況を踏まえて、補佐役の配置も含めて総合的に検討中だと聞いております。  今後、教育分野でのデジタル化がしっかり推進されることが望ましいわけで、総合教育会議を主催するという立場でもありますので、必要な助言、サポートをしっかり行って、何とか御期待に沿える形にしたいと、こういうふうに思っております。 172 永森委員 ありがとうございます。ぜひとも、今後とも議論を重ねさせていただきながら、よりよい形になっていけばと思っております。  続きまして、県立大学のDX教育研究センター(仮称)についてお尋ねをしたいと思っております。  この設置については、本当にスピーディーに意思決定をしていただいたと思っておりまして、心より敬意を表させていただきたいと思っております。  他方で、学生にデータサイエンス教育を行っていくということがとても大事だと思いますけれども、デジタル化の波がこれだけどんどんと迫ってきている中においては、今からデータサイエンス人材を育てても、なかなか時間がかかるんじゃないかと。そういう話の中で、既に働いておられる現役世代にも学び直し、あるいは知識のアップデートの機会をしっかりと提供していくということが重要だと思っております。  この施設の機能や効果などをどのように考えておられるのか、蔵堀政策監にお尋ねいたします。 173 蔵堀政策監 県立大学におきましては、DXの推進に向けまして、今後、人材育成や研究強化を図ることといたしております。  まず、人材育成につきましては、令和4年度から知能ロボット工学科と情報システム工学科の入学定員を拡充いたしますとともに、データサイエンスなどDX教育に必要なカリキュラムを充実することといたしております。  また、研究強化につきましては、学内のDX教育と研究の中心施設として、今ほど委員からも御指摘ございましたけれども、産学官の連携拠点ともなりますDX教育研究センター(仮称)を整備することといたしております。  教育や実験、研究に必要なスペースを確保いたしますとともに、県内企業や研究機関との共同研究に利用できるスペースも備えまして、県内産業の振興に寄与できるように努めてまいりたいと考えております。  さらに、DX人材の育成については、学生に対してだけではありませんで、御指摘にもございましたように、社会人の方の学び直しや新しい知識の習得のニーズに応える機会を提供することも重要だと考えております。  県立大学では、DX教育研究センター(仮称)への企業研究員の受入れや、現役のミドル世代の方のリカレント教育の充実などについて、データサイエンスの教育も含めまして、しっかり検討してまいりたいと考えております。 174 永森委員 ありがとうございます。  そして同時に、せっかくこうしたすばらしい施設ですので、県内の高校生にも、しっかりとこうした施設を活用いただきたいと思っておりますけれども、どのように取り組まれるのか、蔵堀政策監、お願いいたします。 175 蔵堀政策監 高校と大学との連携を図ります高大連携につきましては、これまでも大学コンソーシアム富山において実施をしてまいっているところでございます。  また、各大学等においても個別に実施をしておりまして、例えば富山大学では、薬学部においてスーパーサイエンスハイスクールとの連携を図り、県立大学におきましても、高校生の科学技術への関心を高めますために、県内の高校生を対象とした体験事業も行っております。  また、県立大学の教員が出張講義形式で工学、看護、教養セミナー等も実施するなど連携を図っていますが、こうしたセミナーの中では、これまでも、数学や統計学の手法を用いてデータ分析を行うデータサイエンスの要素を取り入れて実施をしております。  今ほども答弁いたしました、県立大学のDX教育研究センター(仮称)が整備されますと、こうした高大連携にも十分活用できますので、県立高校の教育環境のデジタル化の推進の状況にも配慮しながら、今後、事業内容をよく検討いたしまして、データサイエンス教育の効果が上がりますようにしっかり取り組んでまいります。 176 永森委員 ありがとうございます。  では、最後の質問ということでさせていただきたいと思っております。  知事、この間、随分と健康寿命の延伸というところで取り組んできていただいて、大きな成果も出していただいているのではないかと思っております。  ここに、さらにデータの活用、特に医療のレセプトの活用は非常に効果が出てくるんじゃないかと私は思っておりますし、まさに先進的に取り組んでいっていただきたいと思うわけであります。  提案理由説明の中でも、各人の健康課題を分析、可視化をしていきたいというようなお話をしていただきましたけれども、これまでのレセプトデータ活用の成果と課題を含めて、今後どのようにデータを使った健康寿命の延伸に取り組んでいかれるのか、石黒厚生部長にお尋ねをいたします。 177 石黒厚生部長 医療保険者は、被保険者の健康の保持増進を図るため、保有しているレセプトデータ等を活用いたしまして効果的な保健事業を進めていくことが求められているところであります。  そこで、国民健康保険の保険者であります市町村につきましては、健康・医療情報を活用した保健事業の実施計画を策定し、レセプトデータ等を活用し、被保険者の特性に応じた保健事業に取り組んでおりまして、これまでは特定健診等の実施率の向上、あるいは糖尿病未治療者への受診勧奨実施率の向上に結びつけてきたところでございますが、やはり一方で、依然としてメタボリックシンドローム該当者割合が、本県の場合、全国平均より高い、あるいは糖尿病による新規人工透析導入患者も増加傾向にあるなどいろいろな課題はあるわけでございます。  このため、県におきましては、県内市町村等が保有いたします過去5年間の医療や介護のレセプト、特定健診結果等の各種データ──この5年間のデータの総量は4,600万件を超える相当に膨大な量でございます──を総合的に分析いたしまして、生活習慣病の発症や要介護状態につながるリスク要因について把握し、データを有効に活用して、ターゲットを絞り込んだ保健事業を展開していきたいということで、この9月補正予算案に必要な事業費を計上したところでございます。  この事業におきましては、地域ごとの課題に対応した普及啓発事業等の集団的な保健事業のほかに、特に保健指導の優先度の高いリスク要因を多数保有されているハイリスクな対象者を絞り込んでリスト化いたしまして、個別の保健指導につなげることとしておりまして、生活習慣病の発症や重症化の予防、あるいは介護予防に効果的な保健事業の実施を通じたさらなる健康寿命の延伸について取り組んでまいりたいと考えております。 178 武田委員長 永森委員の質疑は以上で終了しました。   以上をもって本日の日程は終了いたしました。  なお、9月24日の予算特別委員会は、午前10時から開会いたしますので、定刻までに御参集願います。  本日はこれをもって散会いたします。ありがとうございました。                     午後4時30分散会 Copyright © Toyama Prefecture, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...